こんばんは。
大好きな安城市の在宅医療に貢献したい!
日だまり訪問看護ステーション
看護師 山田万理です。




同じ立場の人が
気軽に本音を語り合う交流の場が
いくつかあります。
介護や医療業界で言うなら
患者会や遺族会などです。


同じ病気の人は困りごとに
どのように対処しているのだろう?


健康な人には分からない気持ちを
同じ病気の人に聞いてもらいたい
自分も同じ気持ちだよと
横並びにいて欲しい。


大切な人を喪った哀しみを
心からの苦しいよね、ツラいよね
その気持ちよく分かりますという
温かい言葉でくるんで欲しい。


同じ立場だから分かり合えるし
患者会や遺族の会の会員になると
少し先を行く先輩が道しるべになって
こっちだよと引っ張ってくれます。




ALSの利用者さんを担当しています。
患者家族でなくても加入できると聞いて
日だまり訪問看護は
ALS協会に加入しました。


最新の情報を入手するため
健常者では理解しがたい
病気の苦しみを知るため
介護者の思いに寄り添うため
どんな工夫をして毎日を生きているのか
知恵を授かるためです。


ALSのKさんは60代です。
一昨年前に確定診断がつきました。
患者会に参加したもののコロナ禍において
対面での患者会は軒並み中止で
情報収集も気持ちを分かち合うことも
できません。


直近3カ月で急激に進行して
11月は150mの連続歩行が可能だったのに
3月は7mになり
急に脱力して膝折れするので
転倒することが増えました。


言葉が不明瞭でコミュニケーションに
困難感を生じています。
両腕は麻痺状態で筆談はできません。


当たり前にしていたことなのに
手を借りないとできない
これからどうなるんだろう
悔しい、情けない

心の叫びを聞いても同じ立場ではないので
理解ができないのです。
何もできないけど側にいる
看護師にできるのはこれだけ。

軽はずみに
「気持ち、分かります」なんて
決して言ってはいけません。
分かるわけないのだから!


Kさんの肺活量は1月78% 3月66%
胃ろう造設は麻酔に耐えうる呼吸機能が
必要で肺活量が50%以上ないと
できないそうです。
時々、息苦しさの自覚があります。




春は別れと出会いの季節で
Kさんの主治医が退職するため
主治医切り替えとなりました。


急激に症状が進行している
Kさんは重要な局面に立たされています。
栄養管理、呼吸管理、身体機能の維持
コミュニケーションや思いを伝えること
課題がいくつかあります。


日常生活すべてにおいて介助が必要なので
介護者の体力や介護支援状況から
在宅療養の継続が可能か否か
どこでどのように生きていくかを
考える時期にいます。


主治医が切り替わる初回診察に
ケアマネジャーとともに同行しました。
最近の身体状況の変化や
Kさん、ご家族の思い、看護課題を
事前にFAXしておきました。
ソーシャルワーカーにも情報把握を
お願いしていました。


主治医となった医師から
「とても倫理的な課題の意思決定を
こんなに短時間の世話しない外来で
するべきではないと思います。

人となりを知るところから始めて
身体機能の評価と現状把握のために
短期間の入院をしてみませんか?

退院前に病院と在宅それぞれの
専門職で集まって、これからの過ごし方を
話し合いましょう」と
提案されました。


Kさんは今まで病気知らずで
ALSの確定診断をつけるための
数日の入院しかしたことがなく
家族以外の介護に慣れていません。

「分かりました。」と
即答したKさんが入院日まで
やさぐれましたタラー
「結構厳しいことをズバッと言うよね。
キツい先生だね。」と
第一印象がよろしくなかった様子です。


状態が大きく変化している時期に
主治医となった医者もツラい立場です。
事実を伝えて意思決定を
促さないといけないのです。


最善の選択をするために
シビアでも医学的見解を伝えなければ
前に進めないのです。


入院する前のKさんの意思は
ダイヤグリーン栄養管理されて長生きしたくはないから
 胃ろう造設はしたくない
ダイヤグリーン呼吸が苦しいのはツラいから
 気管切開はしてもらいたい
ダイヤグリーン人工呼吸器をつけるかどうかは
 今は決めれない
でした。
5カ月近くかけて何度か話し合って
決めたことです。


Kさんにとって入院生活は厳しい試練でした。
でも主治医の配慮で
奥様にリハビリ見学を促したり
コミュニケーションツールを学んだり
食事介助の練習と称して
夕食時の面会を許可して頂きました。

キツい先生だよね から
思いに寄り添ってくれる先生だね に
印象が変わりましたグッ




退院前カンファレンスで
医師から機能評価の結果を聞き
意思決定の優先順位を助言されました。


胃ろうは栄養管理だけでなく
薬剤投与の経路を確保する目的がある。
肺活量低下のスピードからして
まずは、胃ろう造設をするかしないかを
半年以内に決定して頂きたい。


胃ろう造設はしないと決めていたKさんが
「遅くとも5月中に
胃ろう造設をして欲しい」と
考えが変わりました。
胃ろうが延命ではなく
治療をする生きる手段だと知ったからです。


さらに医師から
今からコミュニケーションツールに
慣れておけば、未来に生じるストレスを
緩和できるだろう
とも言われました。
ストレスの要因は
思いを表現できないこと
ツールを習得できないこと などです。


人生会議(生き方を考える会議)において
専門職を交える意義は
医師、看護師、リハビリスタッフから
医学的見解と未来予測、
何を優先していつまでに決めるのか
決めるときの要点はここ!
というのを教えてもらうことです。


看護師は
ご本人ご家族の思いを引き出して
思いを代弁する役割や
時には専門用語を分かりやすく伝える
翻訳?通訳?の役割もあります。


私が大事にしているのが
医療者の話をどのように受け止めたか
分かりにくい言葉はなかったかを
ご本人とご家族に確認することです。


私も気をつけていますが
医療者は無意識に専門用語を使いがちアセアセ
ご本人ご家族を置いてけぼりに
してしまうことがあるんです。
だから自分の発した言葉の振り返りと
通訳が必要です!




4月からKさんの支援者に
保健師とコミュニケーションツールに
詳しい業者が加わって
輪が広がっていきます。
もちろんKさんが真ん中です。


Kさんの苦しみは理解できないけど
分かち合いたい同志が集まれば
患者会の役割の半分くらいは
担えるんじゃないかなと思います。





話は変わりますが
中学生の娘がニキビに悩まされ
100均コスメを使って
涙ぐましい努力をしています。


私も昨年3月に
生まれて初めて(大げさでなく!)
顔の肌荒れに悩まされました。


痒くて痒くて寝ているときに
無意識に掻きまくり
朝起きたら目が開けれないほど
腫れていて

なんじゃこら?
息子の卒業式だってのにアセアセ
鏡を見て呆然としました。


皮膚科に行ったら
1.5m先から診察をする女医さん。
いやいや、遠くないすか?
見えます?
でも仕方ないか…
コロナが流行りだした頃だったしタラー


原因は分かりませんが
お薬出しておきますね!と
お肌ツヤツヤな女医さんに出された薬が
プロペトでした。

あ、それ持ってるわ。

でも
プロペトでいいんだということが
分かったので受診して良かったですグッ


当時、鏡を見るのがツラかったので
娘の気持ちが分かります。
自分のためには決して足を運ばない
コスメのお店に入り
緊張しながら相談しました。


相談に乗って下さったのは
若いお兄さん。
美容部員=女性という
ジェンダー意識に気づかされました。

オリンピック委員会のお偉いさんが
女性差別的な発言をして
物議を醸しましたがアセアセ


男性でも思春期女子のお悩み解決のために
専門的な知識を
惜しみなく教えてくれるんだ!と
感動したんです。


お兄さんは録音したかったくらい
分かりやすく説明してくれて
商品を選んでくれました。
中学生なのでお値段も考慮して。
ありがとうございますキラキラ


旦那さんは娘の入学祝いに
LINEのプリペイドカードを
プレゼントしていました。
私は何もあげてないなアセアセと気づいて
入学祝いにプレゼントしました。


思春期の娘の悩みに寄り添うのも
母親の醍醐味です。
「嬉しい、ありがとうキラキラ
娘の笑顔がやっぱり私の原動力なのです。




それでは今日はこの辺で。
また明日。