こんばんは。
大好きな安城市の在宅医療に貢献したい!
日だまり訪問看護ステーション 山田万理です。

肝性脳症によるせん妄状態となり、入院治療していたCさんが、土曜日に退院しました。





今回の入院期間は7日間。
Cさんは、便秘起因のアンモニア値上昇により、肝性脳症を発症してせん妄となります。

なので7日間毎日
グリセリン浣腸をして排便を促し、
脳症の改善を目指して、アミノレバン点滴を1日2回投与されていました。


突然せん妄状態になり
主治医に報告した時、
ショートステイ利用の提案をされました。

せん妄になるのはいつも週末なのに
私の詰めが甘くて、夜間や土日祝日の
ケアマネさんや介護施設との連絡経路を
確立していませんでした・・・。


医療処置が必要だと、介護保険サービスのショートステイは利用できません。
かといって、せん妄で落ちつきなく動き回る状態を、自宅で家族が介護するのは困難です。


介護保険区分の訪問看護は
滞在時間により単位数が変わります。
ずーっと側にいることができません。


困りました…もやもやもやもや



なので、
土日祝日夜間でも、緊急時は、
入院対応を検討するというお守りに頼りました。



肝性脳症によるせん妄という原因があり、
介護困難という結果があります。


入院して、原因に対しての治療をしました。


退院コーディネーターから
『地域包括ケア病棟に入院する場合、同じ病名だと60日間が限界です。
自宅で(医療機関に入院することなく)3カ月過ごすとリセットされて、60日間の入院が可能になります。
何とかご自宅で、3カ月頑張って下さい。』
と言われました。


Cさんの場合、
せん妄で介護困難になりましたが
介護疲れではありません。

地域包括ケア病棟は、レスパイト入院の場所という私の解釈がおかしいのかな?


?レスパイト入院とは?
レスパイトとは、一時休止、休息という意味。
介護者の日々の疲れや、冠婚葬祭などで介護の継続が困難な場合に、医療設備が整った病院に医療保険で短期入院をすること。
レスパイト入院中は、基本的に検査や治療、他科受診は行われない。


Cさんは、検査も治療もしています。
じゃあなぜ、地域包括ケア病棟にいたのか?


?地域包括ケア病棟とは?
急性期治療を終了し、病状が安定した患者に対して、在宅や介護施設への復帰支援に向けた医療や支援を行う病棟


??????


訳が分からなくなりました。
医療提供はあり?

在宅復帰を目指す病棟なら
Cさんは地域包括ケア病棟に該当します。

でも、急性期治療を終了して
という前置きは該当しないのでは?

それとも、肝硬変の病期が終末期だから
急性期と判断されないのか?


Cさんは、12月に余命宣告を受けています。
短くて3カ月、長くても1年。


人生のゴールテープが近づいていながらも、
孫の結婚式を見届けるという目標を持ち
水分制限を守り、食事量を減らして体重コントロールをしています。


家族の負担にならないように
依存しがちでわがままな性格を改め、
自分でやれることはやり
感謝の言葉を伝えるようになりました。



退院コーディネーターからは
誤嚥性肺炎などの病名が変わる場合や
看取りとなれば受け入れます
と言われています。


モヤッとしますもやもやもやもや


必要な医療を適量行うのが
病院の役割ではないのか?


悪化しないように、セルフコントロールしているCさんの『生きる』を支えるってどういうことなんだろう・・・


無茶苦茶すれば、たちまち12月のように多臓器不全状態になります。
看取りは近くなるでしょう。

せん妄を静観して放っておけば
転倒して骨折するでしょう。

いずれの場合も入院可能になります。

もっと言えば、肝性脳症、肝不全の先に
看取りがあるのです。
看取りの前段階は、大変だけど頑張ってね
最期は見届けますからねってこと!?


入院して医療を受けるために
Cさんに、もう頑張らなくていいですよ
好きなように生きましょう!なんて
言える訳がない・・・。

私の目標は
在宅医療の限界点を引き上げること


なので、
肝性脳症(原因)を予防するために

日曜日の訪問看護を追加してグリセリン浣腸を行う
採血回数を増やしてデータ把握する
⬆️
看護師は検査オーダーできません
在宅医との連携が不可欠です。


肝性脳症によるせん妄(結果)の対策として

在宅医に特別訪問看護指示書の交付を依頼して、医療保険の区分で頻回に訪問する
自宅でアミノレバン点滴を行う
せん妄が改善して医療処置が不要になったら
ショートステイを利用して、介護疲れを解消する
⬆️
スタッフとカンファレンスした苦肉の策です。

それから、
『サルビー見守りネット』を活用して
在宅医、ケアマネジャー、ショートステイ受け入れ施設と情報共有して、土日祝日の連絡経路を確立、それぞれの役割分担をしました。


安城市には、『サルビー見守りネット』というICTを活用した情報共有のツールがあります。


掲示板のようなメッセージ機能があり、
LINEグループのようにプロジェクトチームを
組むこともできます。
バイタルサイン(熱、血圧、脈、酸素飽和度)を入力すればグラフ化され、電子カルテの役割もします。


大至急の連絡には不向きですが
それぞれの時間を気にすることなく
情報共有と情報交換ができて便利です。




Cさんは
訪問看護を導入してから、3カ月継続して自宅で過ごせたことがありませんアセアセ


それでも
トライ&エラーを繰り返して
今日まで精一杯生きているCさんです。


支える側が諦めるわけにはいかない!
まずはトライですグー




それでは今日はこの辺で。
また、明日~。