誰にもある

幼い頃の忘れられない思い出は


虹の雫のように

心の中の隅っこでキラキラと光る

小さな宝物

 

その一粒一粒を

思い出すたびにちょっぴり心が切なくなって

ほろりと涙がこぼれそうになる


そんな幼い女の子の愛情物語


*

*

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前回のお話の続きです







梅雨の時期



雨降りの日の学校帰りは


女の子にとってとっても楽しみな日




クラスメイト達は



雨の日は外で遊べないから最悪〜



雨で服や靴が濡れてしまうから嫌だー




って、みんな口々に言っていましたが




女の子は心の中で



「わたしは雨の日が好きだけどなぁ」


って思います





だって雨の日のいいところって




雨の音が好き



雨が降ると木や花が喜ぶし



雨が上がるとよく虹が出てる




梅雨の時だと



きれいな紫陽花の花がたくさん咲いて



そして、カタツムリがイキイキと


葉っぱや塀を這っている姿が見れる




それになんといっても


自分の誕生日の月だから!





女の子にとっては


梅雨は特別ワクワクする時期なんです





。。。あ!今日は雨が降ってる



学校が終わるまで雨降りだったら


いつもの塀のところに行こう



カタツムリさん、今日も会いに行くね




女の子はワクワクしながら


学校から帰るとランドセルを置いて


すぐに傘をさし



小瓶を持って


近所の塀のところに行くのです





いるいる!



今日もカタツムリたちは元気にツノを出して


塀に出てきてる



大きなカタツムリや小さいカタツムリも


たくさんいます





あれ?




よく見るとヤドカリみたいな


細長い殻を背中に乗っけた


小さいカタツムリもいる!




可愛いな




傘をさした女の子は


カタツムリを観察しました




ツノの先端をチョンっと触ると


カタツムリはツノをへこませます




面白いな





そうやってしばらくカタツムリを見ていたら


目の前に


今まで見たことのないくらい


小さなカタツムリがいました




きっと生まれたばかりなのでしょう




殻がうっすらと透き通っていて


殻が珍しい左まきの


本当に小さくて可愛いカタツムリでした




女の子は



わー!やっと会えた!


カタツムリちゃん一緒に帰ろうね



と喜んで、そのあかちゃんのカタツムリを


小瓶に入れて持ち帰ったのでした




つづく