2022年11月20 日は、ダイナミススクールでの4年余りの学びの最後の日となりました。
そして、この日は、私の64歳の最後の日でもありました。
日本でのダイナミススクールが始まったのは、京都でCHKがスタートしてから、10年目の年。
私が、CHKで、ホメオパスとしての臨床と講師としての活動を10年間経験した時期でした。
60代の前半にこのような充実した日々を送れたのは、ほんとうに幸運でした。
日本でのダイナミススクールの開催は、吉川さんと北村さんがアフリカのタンザニアまでホメオパシーの研修のために出向いたときに、ジェレミー先生に日本に来ていただきたいとお願いしたことから始まりました。
彼女たちの情熱には感謝しかありません。
ダイナミススクールでの最後のレメディ学習は、Haliaeetus leucocephalus (Haliae-lc)白頭鷲でした。
1995年 サンフランシスコのダイナミススクールでジェレミー先生がダイナミスの生徒たちとプルービングしたレメディです。
ジェレミー先生は、長い間、鷲のプルービングをしたいと思っていたそうです。
でも、生きた鷲からサンプルをとるのはあまりにも難しく、できませんでした。
あるとき、サンタフェで傷ついた白頭鷲(マクスウェル君)の世話をしている獣医さんとの出会いがあり、実現したそうです。
Haliae-lcは、銃で翼と脚を撃たれ、飛べなくなったアメリカ白頭鷲の血液から作ったレメディです。
このレメディにマッチする人は・・・・。
白頭鷲ですから、かつては、王様として君臨していた猛禽です。
でも、今は、地上にスタックして希望がありません。
交通事故で脚が麻痺して一生歩けなくなった人のようです。
また、ネイティブインディアンのようでもあります。
かつては、自由でパワーを持っていたが、今は酒浸りで将来への希望もなく自滅的な生活をしているような人。
自滅的で摂食障害を持っている。
自殺願望。
鷲はすごいスピードで飛びますが、このレメディにマッチする人も、あらゆることを早くしないと怒りを感じます。
スーパーに行くと、カートを押して前を歩く人のスピードに腹を立て、渋滞にも怒ります。
邪魔されることに耐えられず、大声で叫びます。
子供が言うことを聞かなかったら、「殺す!」といって脅したり、子犬を押しつぶしたくなったり、死んだ動物の匂いを嗅ぎたくなる。
わけもなく殺したくなるような暴力性。
空を飛ぶ夢。
骨が空っぽの感覚。
上向きの感覚と下向きの感覚があります。
上向きの感覚は、高いところにいて、恍惚とした高揚感があります。気分はハイな感覚。
下向きの感覚は、地面にスタックして動けない。抑うつ的。下降。絶望。
目的を失い、方向性を失う。
自分の人生におけるゴールを失ったような双極性の鬱によいレメディのようです。
梅毒マヤズムのまとめとして、ジェレミー先生は、このレメディを紹介してくださったのでした。
プルービング後、数年たって、アメリカ白頭鷲(マクスウェル君)のお世話をしている獣医さんから連絡があったそうです。
マクスウェル君は、傷からの出血が止まらない。
血が固まらず、以前よりイライラが強まり、機嫌が悪く、鬱も強まっている。
様々レメディを試してみたが、うまくいかなかった。
ジェレミー先生は、Hamamelis ハマメリス を飲むようにアドバイスしたそうです。
このレメディは、静脈に作用します。痔のレメディとして有名ですが、古い傷ややけどにもよく使います。毛細血管からの黒い出血。
精神症状は、学習意欲や労働意欲がない。相応の敬意を払われていたい。
まさに、マクスウェル君、ピッタリのレメディだったと思います。
ハマメリスで傷も良くなったし、何より心が穏やかになったそうです。
授業の後は、ジェレミー先生へ感謝の気持ちをこめて、教室参加の私たちと、Zoom参加でそれぞれの自宅にいる人たちで「さくら」を合唱しました。
私たちは、先生のもとで「ソメイヨシノ」のプルービングをしたのでした。
この体験が4年間の中でもっともすばらしい学びだったと思っています。
そのあと、ジェレミー先生がハモニカを吹いてくれました。
バッハのG腺上のアリアでした。
先生の姿の後ろには、雲が沸き立つ冬空を飛び交う海鳥の映像が映りました。
ホメオパシーの世界をひたすら歩いて来られたジェレミー先生。
同じユダヤ人としての血なのでしょうか。
ハモニカを吹く先生の姿が、私には、愛の画家シャガールの絵画のように見えました。