Aeth.は、ヨーロッパからシベリアにかけて原産のせり科の1年草植物を原料とするレメディです。
ドッグパセリ、フールズパセリ、などと呼ばれてきました。
CHKでは、上級コースで学ぶレメディです。
最近、事前学習として、最近は原物質につて調べてもらうことにしています。
発表していただいたことは、
・ヨーロッパの中世、コレラの治療に使っていた。
・神経毒を持っている。
・中毒を起こすと吐き気を催す。
・ハーブ療法として鎮静作用に使われていた。
・人間には毒があるが、ヤギ・羊・馬・牛には大丈夫。
などでした。
その後、Aethusa cynapium で検索した画像を見てもらいました。
https://search.yahoo.co.jp/image/search?rkf=2&ei=UTF-8&gdr=1&fr=wsr_gs&p=aethusa%20cynapium
今までに学んできた、Cic.(毒セリ) Con.(毒人参)の画像も映しましたが、どれもそっくり。
白いレースのような可憐な花を咲かせます。
姿はそっくりですが、その症状は似たところもあり、ずいぶん違っているところもあります。
まるで、顔は似ているけれど、性格や体質はずいぶん違う三姉妹のようなので、私は、これら3つのレメディをせり科3姉妹
と呼んでいます。
(参照: https://ameblo.jp/sunny-garden/entry-12375665031.html )
せり科を必要とする人には、女性が多いわけでもないし、婦人科系との関係が深いわけでもないのですが、私には、花の姿から3姉妹というイメージが湧くのです。
ちなみに、ナス科も代表的な3つのレメディ(Bell. Stram. Hyos.)があります。
激しく、暴力性があり、痙攣症状をもつこれらは、ナス科3兄弟と呼んでいます。
ホメオパシーの中興の祖と言われている約100年前にアメリカで活動したジェームズ・タイラー・ケントは、このレメディを「夏の乳幼児のコレラ」に使ったそうです。
飲んだお乳が、かたまりになって、口からあふれ出るような激しい嘔吐。
大量の緑の便。
激しく暴力的な(Violent)症状の後、子供は衰弱して眠り続けます。
このレメディのきわだった特徴を表現する症状そのものです。
「夏の熱さ」「ミルク不耐性」「激しさ」「嘔吐」「下痢」「衰弱」「嗜眠」
まるで何かが、「あふれ出る」というエネルギーです。
「ミルク不耐性」という点では、Sil.に似ています。
Sil.の原料は二酸化ケイ素。自然界には、透明な水晶として存在します。
この人も、その透明感を維持するために、「排他的」ですが、あふれでるような激しさはありません。
ミルクのようなもっとも基本的な食べ物を「拒絶」する。
受け入れられない人。
Aeth.の人の、受け入れられなさは、人間関係や知識などにも及びます。
人とうまく付き合っていくことができません。引きこもり。人間嫌いのレメディです。
しかし、激しい感情は持っていて、それは動物に向かいます。
授業では、このレメディで元気になっていかれた印象的な人たちのご紹介をしました。
ある女性は、猫を飼っていて、避妊手術をすることを受け入れられず、たくさん子供を産ませてしまい家族ともめていました。
ある日、彼女は縁側で猫と遊んでいたのですが、その話し声を聞いた家族は、彼氏と携帯でしゃべっているのだと思っていたそうです。
人付き合いは不器用だけれど、動物とは、細やかに、心をかよわせることが出来る人です。
彼女の考えでは、人間は自然を破壊していく悪い存在。
動物は人間に支配される被害者という構造になってました。
でも、彼女は、だんだん元気になると、避妊手術へのこだわりは緩み、社会にもうまく適応できるようになってこられました。
Aeth.の人は、知識などを消化吸収する力も弱く、勉強が苦手です。
試験などのようにプレッシャーがかかったときなどは非常に恐れます。
MIND; FEAR; examination, before (試験前の恐怖)
この症状は、Gels.(ジェルセミウム/イエロージャスミン)が有名です。
試験前に、恐怖心で心身ともに萎えてしまうような人。
Gels.は、麻痺のレメディでもあります。
Aeth.を勉強して、「多頭崩壊」という現象について教えてくれた人がいました。
猫の避妊手術に反対で、家じゅう猫だらけになってしまうような人のことをいうそうです。
家の環境は不潔極まりなく、ご近所さんにも迷惑をかけてしまうようになっても、頑固に引きこもっているような人。
Aeth.は、ジェームズ・タイラー・ケント博士が、小児コレラに使っていたレメディです。
古典的なマテリアメディカでは、身体症状が中心に記載されていますが、私は、精神症状から何人かの方にこのレメディを使ったことがあります。
純粋な方ばかりです。
動物愛にあふれた人。
もの言えない動物たちをほっておくことができず、手をさしのべずには、いられない人。
でも、自分のするべき役割は果たせていない。
社会には適応しにくい。
CHKのテキストとして使っている、Frans Vermeulen著のマテリアメディカ ”Focus”ではAeth.の核心を以下のようにまとめています。
1.ミルクに耐えられない。
2.試験に怯える;精神を定め取り入れることが困難。
3.衰弱と眠気を伴う病気。
4.白い鼻の線;口のまわりが青白い。
5.社会から引きこもる;動物に対する強い愛情と哀れみ。