本当に私なんかが伺っても
いいのだろうか?
緊張する。
インターホンを押すと、
優しい声が聞こえ少しホッとする。
ドアが開くと
美しい女性が笑顔で
対応してくれた。
あまりジロジロ見ては失礼と
思いながらも、つい見てしまう。
年齢不詳。
本当に人間?というような
美しさ。
「どうぞ、上がってこちらへ」
と奥のへ案内された。
「お顔を拝見すると、何かありますね?今日は何かご相談がありますか?」
と聞かれ、
「はい…今後、どういう方向性で生きていったらいいのかなと思っていまして…」
とはっきりしない返事になった。
いきなり「結婚しているのに男の人に出会って、すごく好きになってしまって、その人ツインレイだと思うんです」なんて言うのはやめようと思って来ていた。
占い師さんを試すつもりはなかったのだが、私からではなく、もしも占い師さんの方から
「ツインレイ」という言葉が出たなら、
もういよいよ腹を括ろうと考えていた。
そんなに簡単に
自分が言って欲しい言葉が出てくる訳ないよね…
「わかりました。お話ししながら、あなたが本当に本当に知りたいことを探していきましょうね。」
とても優しい笑顔で、私の心を見透かした言葉が彼女から出てきたので、
この占い師さん、本物だ。
嘘はつけない。
と感じた。
その方は霊感もある方のようで、
見えない存在からメッセージを受け取れるというすごい能力がある。
私の話を聞きながら、
私たちの話にカットインしてくる、
その「見えない存在」のメッセージを
伝えてくださった。
見えない存在は1人ではないらしい。
そして、そのメッセージがいちいち確信をついていた。
すごい…
いつも私が感じていた見えない人たち、
やっぱりいたんだ…
と、身体は何度も鳥肌が立つ。
彼女から放たれるメッセージが
奥の方の、本当の私に届く。
「あなた、今日は自分の意思でここに来たのではないですよ。あなたは連れてこられてます。亡くなられているお母さんのお墓へ行ってください。今月中にね。お母さんはお墓に来て欲しいと言っているわけではないの。あなたがお墓の前に立つことで、何か大事な気づきがあるんだって。とても天気が良くて気持ちが良い日に、あなたはお墓参りに行くでしょう。」
とのこと。
来た。
やっぱりこのままではいけないのか…
ここでその話をされるとは思わなかった。
私は母のことが大嫌いだ。
母だけではない。
父も大嫌い。
弟も嫌い。
いや、弟は好きだったが嫌われた。
母が亡くなってからは家族とは絶縁状態であり、母の葬式を最後に会っていない。
墓参りもしていないし、墓の場所も知らなかった。
もうそろそろ、
けじめをつけなさいってことだな。
この占い師さんに言われたら、
もう行くしかないんだろうな。
「わかりました。」
私は、絶対に墓参りなんかしないと思ってこれまで生きてきたのに、割と素直に墓参りに行くことを受け入れていた。