前の回その①に引き続き、どうぞお楽しみください。
 
前回では、ビタミンB群のビタミンB1、B2、B3をご紹介しました。今回はその他の5つのビタミンB群を紹介します。
 
• ビタミンB5:ユビキノールとしても知られ、エネルギーの生成とタンパク質の利用を助け、コレステロールの合成とホルモンの生成を補助し、ストレスを軽減し、高密度リポタンパク質の形成を促進します。ビタミンB5を補うには、緑黄色野菜、牛肉、穀類、キノコ、アボカドなどを食べると良いでしょう。
 
• ビタミンB6:ピリドキシンとも呼ばれ、体内の様々な神経伝達物質と関連し、うつ病や不安神経症に関与する脳内の神経伝達物質に影響を与え、制御するため、うつ病の原因や治療との関連性という点では、ビタミンの中で最も重要です。 また、ビタミンB6は美肌に欠かせないビタミンであり、アレルギーを改善したり、妊娠中のつわりや月経前の不快感を和らげたりする効果もある。 ナッツ類、ニンニク、赤身の肉、サケ、サンマ、玄米、小麦、納豆、ホタテ貝などにはすべてビタミンB6が含まれています。
 
• ビタミンB7:ビオチンとしても知られるビタミンB7は、日常でもよく食べる卵、チーズ、豆類、ナッツ類、黒ゴマ、玄米、小麦胚芽などに豊富に含まれていて、適量に摂取すれば皮膚や毛髪の健康維持、脂肪や糖質の正常な代謝に役立ちます。
 
• ビタミンB9:いわゆる葉酸であり、新しい細胞の生成を助け、胎児の正常な発育を可能にすることができます。妊娠中の女性にとって必須の栄養素です。食事でビタミンB9を補うためには、牡蠣、黒豆、ほうれん草、カリフラワーやブロッコリー、ニンジン、柑橘類、バナナなどを食べるとよいでしょう。
 
• ビタミンB12:コバラミンの一種で、赤血球の成熟と損傷した神経の修復を助けます。疲れやすい人は、肉、牡蠣、貝、サバ、卵黄、海藻などを食べてビタミンB12を補うとよいでしょう。
 
さて、ではどんな時にビタミンB群を補うと良いのでしょうか。ビタミンB群は、摂り過ぎても尿と一緒に排出されて、体内に蓄積されたり、中毒になってしまうリスクは低いです。でも、長期的に大量な摂取を続けると、各個人の健康状態にもよりますが、悪い影響が出る可能性も無きにしも非ずです。年齢や身長、体重、性別、毎日の摂取量などが考慮されます。

ビタミンB群は水溶性のビタミンで、脂溶性ビタミンとは違って油脂と一緒に摂取する必要がありません。ですから、食前でも食後でも、どちらにおいても摂ることができます。ただし、胃腸の弱い人は空腹時の摂取は避けましょう。一般的にビタミンB群を摂取するのに一番適しているのは、朝食の後です。そうすれば一日の新陳代謝を維持できます。もし、午後の方が疲れを感じるのなら、昼食の後の摂取が良いでしょう。また、巷でよく聞く、「ビタミンB群を飲むと元気が出るから、夜に飲むと睡眠に影響が出る」という説は、真実ではありません。ビタミンB群にはカフェインなどの中枢神経に刺激を与える成分は含まれないので、夜でも安心して摂取できます。また、ビタミンB6は睡眠に役立つメラトニンの分泌を助ける働きがあり、適量な補給は安定した睡眠に役立つでしょう。

精神面でストレスを感じる会社員や、接待や残業の多い人、栄養が足りていない高齢者、健康を維持したい人、受験を控えてる学生、ダイエットをしている人、妊婦などはビタミンB群を補給するのに適しています。ただし、身体が疲労のサインを出していたら、それは身体を休めるべきという意味です。やみくもにビタミンB群を補って、疲れを忘れて仕事を続けられると思ってはかえって健康を害します。ビタミンB群を補うのもいいですが、きちんと身体も休めましょう。

ビタミンB群を飲んだ後に注意する点をいくつか挙げておきます。
 ・ビタミンB群を飲んですぐに利尿作用のある飲み物(コーヒーや紅茶など)を飲まないこと。でないと、尿と一緒にビタミンB群がすぐに排出され、補充した栄養も失われてしまいます。
• ビタミン B6 は、パーキンソン病治療薬レボドパの中枢神経系への濃度に影響を与え、その効果を低下させる可能性があるため、パーキンソン病患者は特に注意する必要があります。
・もし、精神的に落ち込んだり代謝に問題があっても、ビタミンB群が不足しているからとは限らないので、まず生活習慣や日常の食生活を見つめ直して、調整してみることをお勧めします。
(Yahoo奇摩顧健康より)