夏が近づき気温が上がるにつれ、皆さんエアコンを使い始めますが、その前にちょっと気を付けてもらいたいことがあります。

とある中国の広州に住む男性は、何日も高熱が続き、病院に行って検査を受けたところ、レジオネラ菌に感染していることが分かりました。結局、退院するまでその人は40日以上も入院していました。 医師らは、エアコンやその他の空調システムにレジオネラ菌が存在する可能性があると指摘し、細菌を含むエアロゾルを吸い込むと病気になる可能性があるため、定期的に機器の清掃、消毒をする必要があると指摘しました。

その男性は3日間高熱が続いたために病院を受診し、検査の結果、まず肺に炎症を起こしていることが判明しました。それから男性は心臓、肝臓、腎臓、呼吸不全などの多臓器損傷を患いましたが、病院での治療ののち幸いなことに回復しました。

その男性が感染した、レジオネラ菌は自然界に蔓延していて、とくに空調設備の冷却水や凝縮水は、レジオネラ菌にとって理想的な繁殖環境であります。レジオネラ菌を含むエアロゾルを吸い込むことが主な感染経路となって、体質が弱い人や高齢者、喫煙者にとってはより脅威となりうると医師は説明しています。また、レジオネラ感染症は軽い上気道炎症状から重い肺炎まで幅広く、治療が遅れると死亡率がより高くなるそうです。 レジオネラ菌は人体において深刻な影響を及ぼし、また今のところ有効なワクチンもないため、日常生活において、水まわりや空調の設備の衛生管理を強化すること、特に夏場のエアコン使用のピークシーズン直前には、定期的な消毒が重要な予防策となります。

そもそも、レジオネラ症は1976年のアメリカで退役軍人の大会が開かれた際に肺炎が大量発生したことに端を発します。 アメリカの厚生省によると、レジオネラ菌に感染すると、レジオネラ症とポンティアック熱という症状の異なる2つの病気を引き起こす可能性があり、死亡率は15%と高く、免疫不全患者ではさらに高くなるそうです。 アメリカの厚生省の公式サイトでは、レジオネラ症は主にレジオネラ菌によって引き起こされ、その菌を含むエアロゾルや水を吸い込んだり、喉に詰まらせたりすることで発症し、人から人へは感染しないと指摘しています。 レジオネラ菌は自然界や人工の水源施設に普遍的に存在し、特に温かく淀んだ水や、流れの緩やかな水環境を好むとされています。

アメリカ疾病対策予防センターによれば、ほとんどの人はレジオネラ菌に対して抵抗力があり、レジオネラ菌に感染しても発病するのは5%程度です。ですが、特に免疫力の弱い人は発病しやすいでしょう。また、高齢者、喫煙者、慢性肺疾患や悪性腫瘍のある人、ステロイド治療を受けている人、臓器移植を受けた人は特に感染しやすいとされています。一般的に言って、レジオネラ菌は正常な身体機能を持つ健康な人々にはほとんど脅威を与えず、感染の早期発見と適切な抗生物質治療によって完治させることができるので、一般市民が過度に警戒する必要はないとされています。ですので、水辺でのレクリエーション活動も安心して行って下さいと説明しています。

海外の研究によると、水中のレジオネラ菌の量と感染症の流行の確率には明らかな相関関係はないとされているので、従って「水中のレジオネラ菌を除去し、その繁殖に必要な条件をなくす」ことが予防の主な概念となるはずです。ですから、定期的に給水システムなどを洗浄および消毒することが重要となるでしょう。 また、娯楽施設の用水の安全を確保するために、事業者側は、老朽化し​​た給水管のメンテナンス、良好な換気環境の維持、水の円滑な循環の維​​持など、事業所内の水関連施設の衛生管理を強化することが推奨されます。温泉やプールの水が定期的に清掃・消毒されているか、プール壁などの汚れがきれいに除去されているか、使用する前に確認しましょう。また、給水システムの関連設備の清掃・消毒が完了しているかにも注意しましょう。 同時に、免疫力の低い人は、レジオネラ症の感染リスクを減らすために、サウナなどのミスト施設の利用は控えましょう。
 (CTWANTより)