「あの人、友達がたくさんいて羨ましい」 
あなたは「友達の数」が少ないことが寂しいと感じる原因だと思いますか? 
実際は、友達が少ないから寂しいのではありません。たとえたくさんの友達がいても、心の中は孤独感でいっぱいな人は、実はたくさんいます。 

もし、ただ単に友達の数を増やしたいのなら、多くの人に好かれる「自分」を演じなくてはなりません。しかしそれでは、どんなにたくさんの友達がいても、本当のあなたを知る人、もしくは本当のあなたの気持ちが分かる人は誰もいません。 
多くの人は、本当のことを言えば嫌われてしまうのを恐れ、自分の気持ちも考えも偽り、人の前では「誰からも好かれる自分」を演じてしまうのです。 
人から見た自分は「本当の自分」ではなく、「偽物の自分」でしかないため、寂しさを感じるのです。「本当の自分」は隠蔽され、隔離されているのと同じなのです。 
現代では、様々なSNSがネット上に存在し、どれだけ多くのフォロワーが得られるか、また「いいね」をもらえるかがとても重要視されていることは否定できません。SNS上で誰かが多くのフォロワーからたくさんの「いいね」をもらっているのを見ると、「人気があって羨ましい」「注目されてて羨ましい」と感じ、さらには、フォロワーや「いいね」が少ない自分は価値が無く、誰からも必要とされていないと思い込んでしまうのです。 

もし、もうこのような感情を抱きたくないと思うのなら、どうしたら良いのでしょうか。それは、ネット上の見知らぬ人にではなく、あなたのそばにいる人を尊重し、思いやることです。相手を尊重すれば、自然と自分を偽ることなく、誠実な態度を保つことができるでしょう。またその一方で、多くの人から好かれるためだけに作り上げられた「偽物の自分」で人に接することは、嘘をついていることと同じだと理解することができるでしょう。こうすれば相手から好かれるだろうと考えて人に接することは、実は相手を少しも尊重していません。友達が少ないと感じるということは、友達をただ単に「数」としか見ていないのです。誰かがもし本当の自分を理解してくれ、受け入れてくれるのなら、たとえそれが一人であっても、心は満たされ、寂しいと感じることはないはずです。 
また、フォロワーや「いいね」の「数」だけを競うSNSでは、友達はただの道具として利用されるだけで、とても尊重し合っているとは言えないのです。 

(今周刊より)