3年半前の20164月下旬、予定通り膵頭十二指腸切除術を受けました。

手術時間は予想に反して約10時間に及びました。

手術終了後、先生から手術内容の説明を受けました。

術中に撮影したデジカメ画像を次々示しながらの説明(切除部分は実物大の画像をプリントアウトしたA4紙で見ました)

 

脂肪が多くて手術に手間取った、手術自体は予定通り進行、切除した断端に癌細胞は検出されず綺麗にとれた、所属リンパ節郭清、上腸間膜静脈(門脈)に浸潤ありその部分を切除して縫合、検査結果が出るのは1ヶ月半位のち、

以上のような内容でした(未だ腫瘍がIPMNであったとは知らされず)。

 

手術室からICUへ移動後、家族面会、辛そうな様子だったので、直ぐ退室しました。

手術時間が長かったので一抹の不安を抱えながら過ごしていましたが、「切除した断端に癌細胞は検出されず綺麗にとれた」と聞いて、家族とともに喜び合ったことを思い出します。

 

翌日午前中には一般病棟に移動となりました。

術後10日間は順調に回復しましたが、その後胆管炎による発熱があり抗生剤投与を1週間受けました。結局術後24日で退院しました。

 

ついで、今回受ける膵頭部がんの手術内容と合併症の詳細、生存率、術後治療のこと等々、について用意された書面に書き込みなど入れながらの具体的な説明を受けました。

手術名:亜全胃温存膵頭十二指腸切除  所要時間8時間

合併症、発症時の対応について:合併症30%程度で、合併症あれば術後1ヶ月、無ければ2-3週間の入院、

その他詳細は省略しますが、私たちの質問にも詳しくお答え頂きました。

最後に、数ページに及ぶ説明書面のコピーを頂いた。

書面には「ご本人、奥様の了解良好、以上を説明し別紙もスキャンして手渡し済み」と書かれていた。

いわゆるインフォームドコンセントが行われました。

 

手術は2週間後、入院は手術日の2日前と、決まりました。

 

 

前回のブログで膵頭部に腫瘍が見つかるまでの経緯を書きましたが、内科の先生から「腫瘍が癌である」という決定的な結論は伺っていませんでした。

しかし「腫瘤の大きさ」、「悪性の疑い」、「外科手術の推奨」などを総合して、夫婦ともに暗黙の状況判断があり、いずれ手術をお願いしなければならないとは思っていました。唯、二人ともこんなにもとんとん拍子に手術日が決まるとは思っていませんでした。

当時を振り返ると内科医は精密検査の結果外科手術は避けられないとの判断で、前もって外科医とは充分コンタクトをとってくださっており、結果的に早期の手術が実現したのだと思います。

 

以下、外科医からの診断結果の説明内容です。

① 先ず開口一番、これは立派な腺がんです。

② 腫瘍の大きさは2cm弱です。

③ 膵臓は長さは15~20cmありますが、厚みの薄い臓器でたった2cmの厚みしかありません。画像で見る限り腫瘍は門脈(上腸間膜静脈)に絡んでいるように見えます。

④ 病名は膵頭部癌、ステージはⅠまたはⅣa(門脈浸潤ある場合)です。

⑤ 門脈浸潤があった場合は、門脈の一部を合併切除します。

 

私たちが先生の説明で一番ショックを受けたのは③の事実です。

内科の先生の画像を見ながらの説明で腫瘍の位置が膵頭部と言ってもかなり膵体部側だなとは思っていたのですが、その下に血管があるとは知りませんでした。

(そういえば、EUS-FNA1回目で検体量が少ししか採取できなかった時に、穿刺に伴う出血に注意が必要で、サンプリングがとても難しいんですよ、というような説明がありました。)

 

上記内容の説明に続けて、手術をしない場合は1年(何をもって1年なのかは聞かなかった)、手術をする場合、2週間後の予定を組んでいます、と言われました。

 

  私たちは2週間後の手術を即お願いしました。

 

 

1.1~2年毎に受診している人間ドックの腹部超音波検査で2010年頃から続けて3回「膵管拡張、前回よりやや拡張傾向」との診断。その度に消化器内科受診→CT検査と血液検査→ 経過観察、となっていた。

2.2015年11月の人間ドック超音波検査でまた同様の指摘を受け、消化器内科を受診。

3.消化器内科で各種検査。

① MRIの結果:すい臓が腫れている。→患部を調べるためEUS予約

② EUS超音波内視鏡検査):結石やはっきりした腫瘍は見られないが組織検査が必要

③ 造影CT→入院予約

 EUS-FNA超音波内視鏡下穿刺吸引法)実施:

これまでの検査に基づく医師の説明=

膵頭部膵管は徐々に大きくなっている。組織検査の結果では崩れた細胞がみられるが悪性とは認められない。検体が少ないので再度組織検査を行いたい。外科と相談の上膵臓の一部除去手術も考える必要がある。→再度検査へ。

 2回目EUS-FNA実施:内科医師の最終説明(妻同席)

細胞は悪性とは言えないが、悪性に変化していく可能性がある。腫瘤の大きさ17mmほどあるので治療を薦めたい。

今できる治療法は外科手術による腫瘍切除である。

外科の先生の診断を受けてください、ということで、一週間後肝胆膵外科を受診。

 

尚、患者本人(手術当時77才)は常日頃健康状態良好で、種々の検査期間中も肝胆膵関連の腫瘍マーカー等の検査値は全て基準値内、自覚症状も全く無しでした。

 

 

同病の方、特にIPMNの疑いでこれから治療に臨もうという方に多少なりとも役立つような情報を、との思いで書き進めたいと思います。

ネット歴は長いのですがROM専門のブログ初心者です。

その点踏まえて、どうぞよろしくお願いいたします。