骨髄移植から100日ほど経った頃、予定通り退院することになった。

やっと、長かった入院生活が終わる。

発病してから、もうすぐ1年というタイミングだった。

100日目の退院

退院にあたって、最後にしなければならないことがあった。

ヒックマンカテーテルを取り除く処置だ。

以前入れていたCVカテーテルは引っ張るだけで簡単に抜けた。

しかし、今回は違う。

皮膚の下を5cmほど通ってから体内へ入っている。

どう見ても簡単には抜けそうにない。

担当医から、

「夕方にカテーテルを取り除く処置をするので、覚えておいてください。」

と言われた。

管を抜いた後、皮膚と肋骨の間にできる空間はちゃんと埋まるんだろうか…

 

夕方になり、処置台へ横になった。

「じゃあ麻酔します。」

担当医が局所麻酔を打つ。

やはり簡単には抜けないらしい。

 

担当医が引っ張っている感覚はあるが、どうやら管が皮膚の中で癒着しているようだった。

すると、横で見ていた主治医に代わった。

かなりの力で左右に揺らしながら引き抜こうとしている。

麻酔のおかげで痛みはないが、どう考えても痛そうだ。

そのとき、

「うわぁ…」

と担当医が小さくつぶやく声が聞こえてきた(;゚Д゚)

それほど痛そうに見えたらしい。

 

何とか無事に処置は終わった。

しかし麻酔が切れると強い痛みが出てきた。

さすがに我慢できず、その夜はロキソニンを処方してもらった。

 

お世話になった皆さんへ

これですべての管が外れた。

ようやく普通の人と同じ姿に戻り、退院の日を迎えた。

 

苦しかった時間が長すぎたせいか、この病棟でお世話になった方々のことを、あまりよく覚えていない。

命を救っていただいたのだから、本当に感謝している。

だからこそ、記憶が曖昧なことを今でも申し訳なく思っている。

思い出そうとしても思い出せないことが心残りだ。

 

自宅へ帰る日

病院をあとにして、自宅へ戻った。

これからも外来には通うことになる。

それでも、生活の場所は病院ではなく自宅だ。

長い闘病を一旦終えた。

「何とか生き残ったな。」

 

この後もGVHDや後遺症との長い付き合いが始まる。

それでも、この日だけは生きて退院できたことにホッとしながら眠りについた。

 

 

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