今回は、白血病患者の採血事情について書こうと思う。
これまで何度か書いてきたが、私は痛いことが大嫌いだった。
病院も苦手で、できることなら近寄りたくない。
そんな私が、よりによって血液のがんである白血病になってしまった。
人生とはなかなか意地が悪いものである。
白血病と採血は切っても切れない
白血病は血液の病気だ。
ということは、病気の状態を確認するために何を見るのか。
当然、血液である。
白血病患者にとって採血は避けて通れない。
最初の病院で抗がん剤治療を受けていた頃は、週に3回、朝から採血があった。
これが私にとっては大事件だった。
病気になる前は健康診断くらいでしか採血しなかった。
せいぜい年に1回程度である。
それが突然、
週3回。
何を考えているんだ!!!
当時はそう思っていた。
翌朝に採血がない日の夜は、少し得をした気分になったのを覚えている。
看護師さんの一言
ある日、採血が多くて辛いと看護師さんに愚痴をこぼしたことがある。
すると返ってきたのはこんな言葉だった。
「血液を調べれば状態が分かるんだから、悪いところの組織を取る検査を何度もしなくて済むんですよ」
確かにその通りだ。
もし肺や肝臓や腸の病気だったら、もっと大変な検査が必要になるかもしれない。
そう考えると採血で済むだけマシなのかもしれない。
納得はした。
でも好きにはなれない…
転院しても逃げられない
大阪へ転院してからも事情は変わらなかった。
やはり週3回の採血。
しかも時々、
「血液が足りなかったので、もう一度採らせてください」
と言われる。
そんな理不尽なことがあるだろうか。
採る側の事情は分かる。
分かるのだが、採られる側としては簡単に納得できる話ではない。
本当の地獄は移植後だった
週3回の採血など入門者だった。
本当の地獄は骨髄移植後に待っていた。
毎朝採血。
毎日だ。
日曜祝日も関係ない。
一日も採血から逃げられない。
しかも採る量がとてつもなく多い。
量が多いとたまに途中で採れなくなることがある…
そうなると刺しなおしだ( ;゚Д゚)
さらに移植後は血小板が極端に減少するため、血が止まりにくくなる。
採血の跡はすぐ青あざになる。
気が付けば両腕とも青あざだらけだった。
これは私だけではない。
移植患者はみんな似たような腕をしている。
最大7回
しかも体調が悪くなると追加採血が発生する。
熱が出た。
→採血
だるい。
→採血
数値がよくない。
→採血
ある日、私は1日で7回採血されたことがあった。
さすがに精神的におかしくなりそうだった。
その時、
「体調が悪い時はあまり採血してほしくないです…」
とお願いしたことがある。
すると返ってきたのは、
「体調が悪い時こそ血液の状態を確認しないといけないから」
という正論だった。
反論できなかった。
採血マスター
そんな生活を続けた結果、今までに受けた採血はおそらく数百回になる。
もはや数える気にもならない。
今では
「採血してきてください」
と言われても、
「ふーん」
ぐらいしか思わなくなった。
昔の自分なら考えられない変化である。
ただ、不思議なことに完全には慣れない。
採血の時に看護師さんから
「ちょっとチクッとしますね」
と言われると、今でも少し身構えてしまう。
数百回経験してもそうなのだから、人間の本能みたいなものなのかもしれない。