【新米がまだのわけ】
今日は晴れるとの予報だったが、どんよりとした曇り空である。地面は乾かず、ナメクジの這った後のようにじめじめしている。
困るのは稲刈りである。田んぼがぬかるんでいると、機械が重みで沈み込むために、稲刈りに取り掛かれない。というわけで、このあたりの稲刈りは中断である。刈り終えた田んぼがポツポツと、疥癬ハゲのように散らばる周りに、地面に着きそうにうなだれる稲穂が広がっている。このままでは品質低下は避けられない。
陽光を誰よりも待ち望んでいるのは農家なのだが、その期待を裏切る今日の曇り空なのである。
【値上げするねと軽ーく宣言】
さて、電気料金の値上げである。東京電力の「関東エリアの標準家庭(月260キロワット時を使用)」が、前月比約15%増、1286円の値上げになる。理由は、政府の補助金(910円)の停止と、託送料金(254円)の値上げをあげている。(東京新聞2026年9月30日)
託送料金値上げの理由は、「物価や人件費、金利の上昇が想定を上回った」からだという。経済産業省が鷹揚にも承認し、東電は即座に上乗せした。
【東電のステルス値上げ】
しかし何かおかしい。補助金と託送料を足しても1164円にしかならない。122円合わないのだ。
この122円は、東京電力の便乗値上げの分である。大っぴらに値上げできるから、ついでに自分の取り分も増やしちゃおう、というわけである。そこはほれ、ホルムズはあるし、賃金や金利も上がっているし、消費者も何となく納得してくれるだろう、というわけである。しかし、説明は一切しない。どさくさに紛れた、本物のステルス値上げである。
【秋のぜいたく】
こちらに払う金がないわけではない。実は昨日、雨のそぼ降る中を福島に向かった。果物買い出しのためである。
開店30分前の直販所の前に、人影は二つだけで、往時の賑わいはない。売り場に重ねられている箱も、8月の数分の1の数量と寂しい。
桃がまだ出ていたのは嬉しかったが、盛りの時期のはずの梨が少ない。林檎にはまだ早く、メインはブドウということらしい。シャインマスカット、次いで巨峰がデカイ顔をしていた。デラウエアやナイアガラなどという、庶民向けのお安い代物は顔出ししない。
というわけで、大きな桃と、大きな梨と、数種類の野菜を購って帰宅した。ガソリン代を浪して遠征し、5千円を超える支払いをするのだから、ちょっとしたぜいたくである。昼に、ひと玉30円ほどのうどんを二人で分けあって食べることが多い者の消費行動とは思えない。
【けちくさいケチ】
価値あるものへの対価の支払いを拒むわけではない。それが正当であれば、しぶしぶながらも受入れる。しかし、価格を一方的に決められどさくさに紛れ、もっともらしい理由をつけ、狡猾なやり方で売りつけられるのが癪に障るのだ。最近の物価上昇の原因の過半はその様なものだと推量する。
かくして、千円札一枚では済まない外食なんてとんでもないという事になる。昼はめん類の自炊となる。同じように生活する人は多いのではないだろうか。
インフレ状態の下で個人消費は伸び悩む。絶対必需品である電気でさえ、節約の対象となるにちがいない。ガスも灯油も同様である。ビールなんか呑まない。白湯を啜りながら、冬の暖房費節減をどうするかと、頭をかかえる人は多いのではないだろうか。