【一切皆空】
13日にお盆の墓参りをしてきた。墓石を洗って花などを供え、線香を焚く。ただし、死者は既に元素に分解され、風となってさえ「存在」しない。「存在」しないものに祈ることはない。それでは何のために墓参を欠かさないのかというと、それを望む人が周りに「存在」するからだ。その思いに同意、同調するふりをする。
郊外にある墓地は、樹木に囲まれている。蝉時雨がうるさかった、といいたいところだが、現実にはまばらだった。しかしふと、加齢のせいで聞こえないだけなのかもしれない、と自分で自分を疑ったりするのである。
【択捉でイクラを食うプーチン】
さて、プーチンの択捉島訪問に大騒ぎである。露中枢軸の形成で、中国の意を受けた露が、日本の軍事力を南北に分断するための挑発と考えるのだが、メディアにその様な視点は見かけない。
ただ、ウクライナのシビハ外相が、ロシアの帝国主義的行動様式の表れであると表明した。(朝日新聞2026年8月13日 23時05分)これに対してかの佐藤優が次の様に反応している。
【佐藤優の警告】
「シビハ外相は、ウクライナの国益のために、この機をとらえて日本を引き寄せようとしているが、迂闊に乗ると日本の国益を損なうことになりかねない」と警告するのである。
佐藤は、「ロシア・ウクライナ戦争と北方領土問題は、歴史的経緯も国際法上の論点も、現在に至る外交交渉の蓄積もまったく異な」るのだから、「ロシア帝国主義」という一つの物語で括るとこれまでの経緯が捨象され、歴史的経緯が見えなくなるという。
【新たな物語の可能性】
確かにその様に留意するのも必要だが、細部を捨象することで可能となる本質の把握も必要である。「ロシア・ウクライナ戦争」の後、ウクライナは軍事大国となる。実践経験と兵器生産力により、東欧のイスラエルのような存在となる。その様な国を支援し、連携していくことは、ロシアを東西に挟んで牽制し、解体に追い込むことで北方領土問題を解決に導く可能性がある。「ロシア帝国主義」という物語は有効なのである。
【史的唯物論における観念の重要性】
マルクスは、異なる労働環境にある個別的な労働者を、「労働者階級」と括って物語ることにで革命勢力としようとした。「労働者階級」などどこにも「存在」せず、物語ることができるだけだ。しかしそのように語ることが、大衆を動員する大きな力となった。
戦術的には特殊具体性への配慮が有効であっても、戦略的には抽象化が欠かせない。そうでなければ、運動の真のリーダーにはなれない。その辺が見えないのが、ロシアの手先としての佐藤の限界なのだろう。