【尋常ではない平均値】

 日経平均が6万円を超えた。慶賀の至りである。ただ、新聞の株価欄を見ると、年初来安値の多さに気がつく。

多くの株価下がっているのに、日経平均が上がるのは、大型株が上がっているからである。イスラエルの軍需産業に投資するような連中が、出遅れ感のある日本の大型株を買っている。その結果として「平均」が計算される。「平均」が、日本経済の状況を正しく反映しているとはいえない。

【生産の停滞から縮小に】

 円安、それに伴うインフレ、金利上昇に加え、イラン戦争によって資源供給途絶、食糧不足の恐れまで出てきた。油がなければ鉱物は掘れず、油由来の化学肥料と農薬がなければ農産物は作れない。ホルムズの狭窄は、そのように世界経済を蝕み始めている。

 実際、生産縮小を余儀なくされる企業が続出している。あのトヨタまでが中東向け生産を断念し、関連工場のラインを停止するという。株価が上昇する地合などどこにもないのだ。

【バブルが弾ける日】

 上昇は、外国で行き場を失った余剰資金の投機による。実態のない熱狂であり、崩壊せずにおかない。問題はそれがいつかということである。

 崩壊の時期が後にずれていくほど破壊度は大きくなる。単なる景気後退、不況では済まない。M&Aで所有するようになった企業の換金が始まる。それは、とりも直さず株の投げ売りである。

【あとは時間の問題】

 トランプ関税やイラン戦争でそうなるかと思ったらなんとか持ち堪えた。その挙句に熱狂がやってきた。ハルマゲドンはまだ先だというわけである。

 日本の基幹物資供給の安定は夏前までのようである。そこに生じる混乱で覚醒するか、11月の米中間選挙まで目を瞑って浮かれ続けるのか、時期の問題である。

 

【シスプラチンの効き始め】

 快晴である。閉じ込められている5Fから見る外界は初夏の光に満ちている。しかし、そろそろ抗がん剤の副作用が生じ始めたらしく、胸のムカムカ感が募る。当然に食欲なし。バナナでさえも無理に飲み込まなけらばならない感じだ。

 ただし、水脹れなのか体重が2キロ近く増えた。冴えない顔つきになっているのか、掃除のおばちゃんに場所を開けるために動いたら、腕を支えられてしまった。年上のおばちゃんによろめいているとみなされたのである。

 じっと手を見ると、手の甲が血色を失っている。危ない物質が体内にあまねく回っているのだ。耐えるのみである。