【この冬最後の雪か】

 春の雪である。20センチほども積もり、庭木が通路に傾いて通れにくい。それでも暗いうちに配達されたようで、新聞配達員にすまない。

 ひょっとすると、自由な外出ができなくなるほどに雪が積もった家があるのかもしれない。ちょっとした陸の孤島である。

【硫黄島にためらい】

 新聞に、硫黄島に「自衛隊の戦闘機を硫黄島に常駐させる案」を報じている。中国を念頭に「太平洋防衛の強化」するためである。(朝日新聞2026年3月4日)

 ただ難点がある。硫黄島には「先の大戦で日米双方の3万人近くが戦死。多くの遺骨が残」るのも問題だが、「火山活動が盛んで、滑走路や給油設備にはひび割れが相次ぐ」からである。火山島に施設を造っても、基盤からすぐに劣化する。噴火したら終わりである。自衛隊は合理的見地から躊躇しているのである。

【南鳥島をゴミ捨て場に】

 この事情は小笠原諸島全体にいえることで、恒久施設の建設は困難である。ところが政府は、南鳥島を「核のごみ」最終処分場の候補地として調査することにした。経産省は、17年公表の「科学的特性マップ」で「好ましい」地域の一つとし、社会的な条件も整っているとしている。直截には「南鳥島を含む海域全体が、地震や火山活動がない安定した場所」であり、「一般の住民がいないので社会的な問題が生じにくい」からである。(東海大海洋研究所の平朝彦所長)

【ポッキーの芯のような】

 しかし、1.5平方キロの島に、1~2平方キロの地上施設を造り、地下に6~10平方キロの貯蔵施設を造ることになる。周辺は水深6000メートルである。地下貯蔵施設は深さ300メートルではすまない。ヘタすると1000メートル以上も掘らなければならないかもしれない。南太平洋の荒波の中にポッキーを建て、その芯に「核のゴミ」を詰め込むようなものである。ぽきっと折れたら全て流出である。危なくてしょうがねえ、とするのが科学的思考なのではないだろうか。

【南の島の外気物】

 調査対象とした最大の理由は「誰もいないから反対しない」だろう。調査したという実績を作りたいのだ。日本人は、先例を作れば抵抗できなくなる。何件か調査した後に本命の調査に移行する、というわけである。

 しかし、意味のなく難工事の辺野古埋立をやらかした政府のことである。全国で反対され、行き場を失った挙句に、ヒョウタンから駒、勢いでポッキー核廃棄物貯蔵所を作ってしまうかもしれない。

【未来へのツケ払い】

 万一崩壊、沈下しても、被害が本土に直接及ぶことはない。あるいは、事故が起きても詳細が知られることはない。知らないことは存在しないに等しい、などと考えているのかもしれない。

 しかし想像してしまう。噴火によって吹き上げられた「核のゴミ」が、ばらばらと太平洋に落下する様である。太平洋が毒の海と化す瞬間である。マグロに止まらず、すべての海産物が食えなくなるかもしれない。それも、後世代の災難だから俺達には関係ないというのだろうか。