【守旧派の結託】
総選挙における有権者の関心の第一は消費税なのだそうである。それだけ、国民は窮乏し、生活の改善を望んでいる。卵1パックを、昔のように98円でとはいわないが、300円で売るのは勘弁して欲しい。せめて20円でも安くして欲しい、ということなのだ。
しかし、「オールドメディア」は消費税減税反対論で結託している。
【国民は肌感覚で反応している】
Newsweekでは、冷泉彰彦が消費税論議は日本特有の空気の支配だとしている。
冷泉は『「ほぼ全ての党が消費税減税を公約」するとともに、「ほぼ全ての党がその財源を示さない」ことで、「分かる人には分かる」形で「消費税減税は不可能」というメッセージが事実上伝わっています』という。
「空気」を生み出しているのは、「超長期金利の4%超え」と「限りなく160円へ接近した円安」により、「財政規律を弱めることへの恐怖」の広がりだという。
そうだろうか。国民が長期金利や為替水準に関心を寄せ、経済学的に正確な理解を得ているとは思えない。株ではなく大根の値段に一喜一憂する国民は、残念ながらそんなに賢くはない。
【トリプル安回避のためには軍事費縮減】
ダイヤモンドは、多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫の言説を掲載している。
『日本の国債の流通市場では財政悪化への懸念から「金利が急上昇」している。…選挙の結果次第では、先行き不透明感の高まりから株安、通貨安、国債安(金利上昇)のトリプル安が起きる可能性は否定できない。』と、脅す。
なるほど、それなら「世界の投資家」を失望させないためにも、消費税減税を否定する「みらい」に投票し、政権を預けるするしかないね。
また、財政再建を金科玉条に、超緊縮財政とするのが政府の最大使命となる。防衛費倍増などもってのほかである。
【円高ではなくドル安】
株価も為替も国債も、その価格決定過程は複雑である。様々な要因が、様々に作用する。 為替では、当該国の経済状態、中央銀行の金融政策や国際収支構造、金融市場の変化、それに地政経済学など、思いつくだけでも片手に余る。明快に断言する冷泉や真壁のように、単純な頭では解明できない。
アメリカの経済混乱からドルが売られ、政治惑乱からアメリカ国債が売られ、株価と共にトリプル安に陥りつつある。
直近の円高の主因はそのようなドル安の反映である。日本の財政の動向などほとんど無関係である。トランプは、他国の通貨安を批判することはあっても、自国には歓迎する。FRBは賢明にも再度の金利引き下げを行なわなかったので、一時的に持ち直したが、今日またドルは153円台と下落傾向となった。その反動で金高騰は、グラム3万円超と止ることを知らない。
【インフレになれば全てが良くなると言っていた人たち】
減税反対論者が、財政の均衡を重視するのにも一理ないわけではない。とめどない国債発行、無原則な政府支出が許されないのはいうまでもない。一国の経済主体である政府が、その巨大な財力を不要不急、無駄な分野に費やせば、国力は衰退に向かうからである。故に政府には、規律ある財政、経済政策が求められる。
そうであるなら、90年代以降オバカな労働政策に異議を唱えるべきであったし、第二次安倍政権の荒唐無稽な金融、財政政策を拒否するべきだった。今御託を並べている識者は、当時、ひと言でも発言しただろうか。インフレになると経済が活性化するなんて言っていなかっただろうか。
【税の全体的な見直し】
それらの政府の愚行には口をつぐみ、今、どうでもいい政策にこだわって発言し、何かやらかした気になる。消費税を何とかしてくれという国民の要望に向き合わないのも、同根の精神的退廃から発している。放置すれば、日本流の市民戦争へと落ち込むのは必至である。
いま手をつくすべきは、巨額の軍事費支出を回避し、労働力の再生産と国土の保持に国力を振り向けることだ。民族としての健全な資本の蓄積である。税のあり方の検討、大衆課税の見直しは、そのための一歩である。1、2年だけ食料品税率を下げればいいというものではない。