【悔しいクチナシ】

 蒸し暑い。クチナシが咲いたのだが全く香りが漂ってこない。熱中症なのかもしれない。

【もっともらしい改悪擁護論】

 さて、Newsweekに加谷桂一が『年金改革法で「厚生年金が損をする」は本当か』との記事を載せている。内容は次のようなものである。

 「改革は国民にとってメリットが大きい。反対論は、厚生年金の積立金活用を取り上げるが、日本の公的年金制度は1985年改正によって、国民年金と厚生年金が事実上統合されている。厚生年金積立金の一部を基礎年金底上げの原資として活用するのは相応の合理性がある。

 基礎年金部分の底上げ財源を税に求めれば消費増税は避けられないので、厚生年金の積立金を流用するのが最も現実的である。

 財政は、マクロ経済スライド導入で好転した。高齢者の年金を強制的に引き下げるので、国民年金のみの受給者など、年金額の少ない高齢者への影響が大きい。今回の基礎年金の底上げ案はそこを補う。氷河期世代の高齢貧困者続出という最悪の事態だけは回避できそうだ。」

【擁護論者は連帯する】

 朝日の主張と同工異曲である。作為に満ちているところまで同じである。

 第一に、積立金を「流用」されれば厚生年金受給者が損をするのは本当である。一人で食うはずだった釜の飯を、他人と一生に食うのだから、自分の食う分が減るのは確実である。同じ釜の飯を食う仲なのだからいいじゃないか、ということにはならない。何でお前は他人の飯を食ってるんだよ、である。

【財務省の論旨】

 次に、高齢貧困者が続出する最大の原因はマクロ経済スライド制にある。止めれば「底上げ」の必要も薄れるのだが、財政健全化を至上命題とする加谷にその考えはない。やめるなら財源を示せとどこかの政党のようなことを言い出し、消費税上げるのとどっちが良いんだとすごむのである。

 社会保障は直接税に財源を求めるのが原則なのだが、この手の論者にその常識はない。パブロフの犬のように社会保障というと消費税だワンと吠えるのである。そして、消費税が社会保障の財源となっているという事実もないし、証明もない。一般財源化されることで多くは国債償還に費やされ、その成果もアベノミクスでワヤにされてしまった。財源が乏しいのは、消費税を導入、増税し続けたのに、社会保障以外のどこかで使われてしまったから、なのである。

【社会福祉の財源に社会保険料をあてにする】

 第3に、氷河期世代の貧困を防ぐとしている。社会福祉は税を財源とするという原則も知らぬふりをしているのである。そんなことは社会保険の保険料、積立金を充てにせずに、税金でやれ。それが、氷河期世代をつくり出した為政者の責任である。そのために法人税増額を進めるのは、貧困世代をつくり出した財界の責任でもある。

【お上手な作文】

 加谷らの情報源が同一であることが強く疑われる。誰かの正しい答をみながら作文する。大手メディアが信用されなくなるのはこの辺にもあるのだ。だれだって、だまされる間抜けにはなりたくなく、そのために金を出して七面倒くさい文章を読んだりしないのである。