【交通事故】

 昨日、桧の間伐材の回収に出向いた。すると、近くの水路の上をシオカラトンボが飛んでいた。紛う方なく夏なのである。

 その帰途、車に鳥がとび込んできた。ふらふらと数メートル手前の地上際に迷い出てきたのだ。避ける余裕どころか、減速するいとまもなく、車両の下に巻き込んでしまった。轢き潰してはいないが、どこか当たったかもしれない。室内ミラーで確認すると白い羽をパタパタと動かしながら草叢にまろび込んでいった。背黒セキレイかもしれない。

 その後の生死は不明であるが、嫌な気分はまだ続いている。巣立ち雛がうろちょろする季節でもあるのだ。

【空言と憶測】

 さて産経が、小泉農水相の「農協を外資にさし出さない」との見解を記事にしている。維新の空下衆院議員の「農協を解体して事業や資金を外資にさし出す意向ではないか」との質問に対する答弁である。

 産経新聞は、「JAバンクの貯金は100兆円規模」「JA共済の運用資金は‥56兆円超」ある。親父が「郵政民営化によって郵貯とかんぽを米国にさし出した」との「言説」を念頭に置いた「憶測」としている。ただ「憶測」とばかりはいえない。

【小泉の陰謀】

 5キロ2000円の「小泉米」販売後、これまで下がらなかったのは流通に問題があるからだとの「言説」が蔓延している。小泉農水相自身が、「大手卸業者の営業利益500%ですよ」と発言している。米騒動の中で暴利を貪っている中間流通業者がいるとの見解である。

 しかし、記事を良く見ると、「500%」というのは「対前年比」である。前年10円で今年60円の利益なら「500%」増益である。それまで薄利でほとんど儲けがなかったが、今年は米価上昇で利益がでただけという可能性が高い。暴利を貪っている根拠とはならない。第一古古古米が2000円で売られ始めたことで米価が下がったことにはならない。銘柄米価格はほとんど下がっていないのだ。

 米価高騰の原因は悪徳業者のせいであるとの理解が広がり始めているのだが、農水相はその印象を拡大するべく操作をしている。

【農水省の変わり身の術】

 米価高騰の原因は、需要に比して供給が不足していることにある。原因は生産にあるのだ。そして供給不足をもたらしたのは農水省の減反政策である。無駄金を費やして、せっかくの田んぼを遊ばせてきた、その挙げ句のコメ不足である。農水省の責任が問われかねない。だから、身代わりを立てて人身御供にしようと懸命なのだろう。また、マスコミもSNSもその手にまんまと乗せられている。愚かである。

 かくして、農協が解体されるのは避けられないだろう。保有する巨額資金はアメリカ資本に委ねられることになる。ただし、小泉の策略によってではない。自由化された資金はグローバル化せざるをえず、グローバル化された資金はアメリカに向かうしかない。それだけのことである。

 来年は米価が暴落し、農家は激減する。日本農業の衰退、自給率低下は避けられない。国民が、何も知らないまま、そのように後押しをしている。

【古古古米の味がわかる人がどれだけいるのか】

 立憲の原口衆議院議員が、5キロ2000円の古古古米は本来は飼料用であり、83円で売却される代物に過ぎないと発言している。国民の玉木も同趣旨の発言をしている。

 ただし、古古古米は鳥の餌だから不味くて食えたものではない、ということにはならない。日本人の舌は適正に冷蔵保存された古米の味の劣化を感知できるほど鋭敏ではない。それは、あふれ返るグルメ番組の「美味しー」から明らかである。

 真実は、人間の主食になりえるものが家畜の餌としてタダ同然で売却されてきた、ということである。そのように、多額の国費をかけて供給量を操作することで米価格は維持されてきた。ワンパック100円の卵を可能にしてきたのである。

【アベノミクスによる大根飯の復活】

 ところが、一貫して減少してきた米需要が急に反転増加するという事態に、農水省が適切な対応をとれなかった。お役人たちは、備蓄米は恐慌用であるとか、売却は入札でなければならないとか、硬直して臨機応変な供給操作が出来なかった。

 元をただせば円安によるインフレにみまわれ、主食としての米の安さが見直されたことが需給増の原因である。ビンボー人はパンではなく米を食うようになったのである。そのあげくに米の値段が上がり、大根などの混ぜ物をしなければならなくなった。今起きている混乱はそういうことである。

 国民は、農協よりも円安を怨むべきなのである。今更ながらにアベノミクスの罪は大きい。