【伊達なトマト】

 外は晴れているが寒風が吹き荒れている。これまで何とか青葉を保ってきた庭のトマトもとうとう萎れ始めた。少し色づいたのを拾い採って家の中で追熟を試みることにする。何しろ先日ピザを焼くに際して中型トマトを求めたら、1個200円近くした。粗末にするわけにはいかない。高尾大夫の気分で、寒風にもろくも朽ちるトマトかな、と呟いてみる。

 暮も押し詰まってきた。仕事が中途半端なのは国会だけではないようである。源泉処理の書類を清書しなければならないのに、ズルズルと先伸ばしている。来週中には始末をつける気になるだろうか。

【両論併記というインチキ】

 さて、昨日の朝日新聞の「声」に年金に関する意見が二つ掲載されていた。

 一人は、ろくに年金をもらえない非正規などの人の生活こそ配慮されるべきとする52歳の女性である。

 もう一人は、「在職老齢年金」は「受給権利の消滅」だと悲憤する62歳の男性医師である。

 これで朝日新聞は、年金見直しに関する異る見解を並列掲載したことになる。それで、中立を保ったという体裁を装うことができる。

 しかし待てよ、である。「在職老齢年金」の対象となるような、現役時代に1000万円を超える年収で、65歳以降に何十万も給料をもらえるような人達ってどの程度いるのだろうか。他方、年収が少なく、その帰結として年金が乏しい非正規の人達はどのくらいだろうか。背景となる層の数が異なるのに、それぞれの発信を同列に扱うのは、果たして「中立」といえるのだろうか。声の大きな少数のオトモダチをひいきする、とんでもない不公平な扱いなのではないだろうか。

【他人に負担させると自分の保険料が減る】

 朝日新聞は、「高額療養費」や、70歳以上の「外来特例」の見直しも報じている。「高額療養費」の上限額を見直せば、「保険料の負担額が1人あたり年1300~5300円減る」。

 高齢者の「外来特例」に関しては、1人あたりの年間保険料が「廃止で700~2千円減、2千円増で200~600円減になる見込み」としている。

 いずれも、支払い保険料を下げる善政であるかのような報じ方である。その「改革」によって、被保険者の自己負担が増大し、社会的弱者の医療が後退しかねないことなど意に介さない。

【厚労省官僚はお友達】

 この朝日新聞の論調は、社会保険分野の担当役員に影響されているのだろう。

 先日(12/10)などは、厚生年金積立金を取り崩して基礎年金財源とすれば、「追加負担梨で将来の年金が増える」と主張するが載っていた。板垣哲也元論説委員の見解である。メデイアは巷の不安を伝えるだけでなく、正しい議論の素材を提供する責任があるとのお説教つきである。疑問に思うのは無知のせいであるといわんばかりである。

 板垣自身は当然に「在職老齢年金」の対象者となり、優雅な老後過ごすことになるのだろう。だが、大半の厚生年金被保険者にとってはとんでもない「改革」である。せっっ瀬戸積み立ててきた金が他人のために使われるのである。泥棒といっていい。そのように投書したのだがあえなく没になった。同類の投稿が多数あったのだろう。その反映として、上記の両論が掲載されたという展開のようである。 そしてそれは、もっともらしいけれども非建設的な、板垣某のお友達なのであろう厚労省の役人が喜びそうな議論誘導なのである。

 メディアが、朝日新聞が、正しい議論を停滞させているといっても過言ではない。板垣某の老後のために、国民の年金が歪められるようなことがあってはならない。