【暗くなる季節】

 11月である。気付いてみれば、コシアブラの葉が落ちていた。バーコードどころではない。坊主である。木々は葉に色をつけないだけで、確実に冬の準備を進めていたのである。

 そういえば会津では、山の頂に白いものを仰ぎ見る季節である。11月半ばになると里にも積雪がある。もう、1階のすべての窓を覆う冬囲いが完了していければならない時季なのである。

 我が家は何の準備もしない。しないで済む地域に住み、断熱の施された住居に住む時代にいる。感謝しなければならないのかもしれない。何しろ、冬囲いの内での生活って、暗ーいものだったからね。

【ビリヤードをするような】

 さて、MLBが終わり、NPBには興味がないので、TVをあまりつけなくなった。ドタバタ「おにぎり」など観る気にもならない。それよりも、政治のドタバタの方が少しは面白そうである。今日の朝日新聞で村木厚子が、政治には「ここを押すと四つぐらいのプロセスをたどって、最後のコマが動くというところがあります」と指摘している。

 つまり一つの欲を刺激すると、複数の欲が反応し、ある欲を実現するところに落ち着く過程が政治ということなのだろう。狙ったところに到達させたければ、欲の作用と反作用を見極め、修正を続けなければならない。それを面白いとするのが政治家なのだろう。そういう意味で、いまの政治はたぶん面白い。

【連立ではないが連合する】

 総選挙後のインタビューで、連立の可能性を問われた玉木が、一瞬固まった後で無いと答えた。その時の表情には連立も選択肢の一つ、それもかなり高確率と見てとれた。案の定、「政策ごとに、よいものには協力」するという部分連合を進めつつある。議席割合から、首相指名を玉木にするということは、石破支持と同義である。表の役職こそ配分されないが、何らかの利益配分を実現することになるのだから、もはや隠れ連立といっていい。

【少数代表の出現】

 しかし玉木の利用価値もそこまでである。これから防衛増税をしようというときに、10兆円規模とされる減税ができるわけがない。「年収の壁」も「トリガー」も、長々と引き伸ばされたあげくに竜頭蛇尾に終わることは確実である。4月になれば、国民を裏切った国民党は石破と同時に使い捨てとなる。政治家どもの争点は、夏の参院選に向けた空念仏に移っていく。

 玉木の裏切りと無能ぶりに、国民の投票意欲は劇的に削がれるだろう。投票率はまた下がる。その後に、少数を代表するトランプもどきの暴君が登場してくるおそれがある。

 春になっても冬囲いが解かれないような、なんだか、暗ーい時代が始まるのかもしれない。