【抜き難い血統的傾向でも変化する】

 梅雨らしい気候となって水やりから開放された。それでも、雨上がり後、梅雨明けに備えて日よけの幕を張った。外猫どもは大喜びである。不思議なのは、昨年まで幕を駆け上がって遊んでいた白黒猫系が全く興味を示さず、昨年までは見ていることが多かったキジトラ系のみが大興奮であることである。血統と学習効果は、猫の行動に錯綜して現出するものらしい。

 今朝にはもう、固定するペグが引かれていた。いずれにしても幕には災難なことである。

【蓮舫の敗因分析】

 新聞休刊日なので、ネットのみ検索した。すると、朝日新聞に「蓮舫氏惨敗余波」という記事があった。松井望美、伊沢健司記者の署名記事である。

 面白かったのは、良くまとめましたという記事本体よりもデジタルに掲載される、有識者のコメントである。蓮舫の、というよりも立憲の敗因についてそれぞれに分析しているのだ。

 小熊英二は、立憲は基礎票がないのだから風が吹かなければ勝てない。しかし風頼みは真の解決策にはならない、基礎票を増やす取組みが大切という。真っ当な意見である。

 牧原出は、蓮舫の訴えた政策は都政の政策としてピント外れだったとする。都知事は都政に専念すべきで、国政とは一線を画すべきというのだろう。しかし、都民がそこまで政治的識見にすぐれ、論理的判断を下すなら石丸に風が吹くはずがない。ピント外れである。

 秦正樹は、無党派層の支持を得られなかったのは蓮舫の資質によるもので、立憲の課題とは切り放して考えるべきだとする。つけ加えて、共産党との連携が間違っていたと安易に「他責化」する傾向こそ改めるべきだという。まあ、もっともである。

 長島美紀は、小池支持が多かった中高年女性の蓮舫拒否を分析している。その上で、立憲民主党は『背景にある強固なジェンダーステレオタイプと政治家の「イメージ」、特に女性が政治家に持つ「イメージ」を考える必要がある』、とする。正しい。

【蓮舫のな信念こそが大切】

 蓮舫は連合の芳野に対して、選挙で労働条件改善と雇用環境改善を提案したが、あんたは何をしたのかと反論している。正しいが、問題はそのような政策の正しさではなく、というかそっちのけで、なんとなくの「イメージ」で選挙が左右されるという現実である。

 逆手にとれば弱小組織の政党でも権力を握れるということなのだが、トランプのような人物でも最強権力を行使できるようになるということでもある。このままでは、極めて危い「民主主義」なのだ。

 「イメージ」なんかあっという間に崩れさる。石丸を見ればそれは歴然である。蓮舫には、「イメージ」改善などに走ることなく、打たれてもめげることなく、真っ当な論理を展開し、現状打開のために有効な政策を提示し続けてほしいものである。「民主主義」の下の政治家として、である。