【梅雨なしの天候】

 大雨警報もどこへやらの晴天である。気温もどんどん上がっている。梅雨をなし崩しにごまかして、もう夏がやってきているのかもしれない。

 そんなときに腰痛である。いわゆるぎっくり腰ではなく、筋肉痛なのだが、体を斜めに前傾させるとぎりぎりと痛みが走る。立ったり歩いたりしているときは何でもないのだが、不意に痛みに見舞われるときがある。明日は上京し、12時間ほど動き回らないといけないというのに、どうなることやらである。

【年金試算】

 さて、昨日の話題は新札と優生保護法違憲判決、厚労相の年金試算であった。新札はともかく、影響の大きいのは年金である。これまでの危機意識を煽るやり方を修正して、現状維持でなんとなかるさの楽観的分析に変じた。「比較的高い給付水準を将来にわたって確保できる見通しになった」だって。

 老後資金は2千万以上必要だとか、保険料払い込み期間を延長しなければならないとかの、お先真っ暗な主張に確たる根拠があったわけではない。厚労省が危機意識を煽り、終始両面で似負担増を目論んでいただけのことである。

【恣意的な試算】

 同様に、今回の楽観論にも根拠がない。あまり悲観的だと年金制度への信頼を失い、何より政権維持にマイナスだから、ちょっとタズナを緩めてみただけなのだろう。低賃金を補うための婦人の就業増加や、定年後の再雇用が進んで被保険者が増えたということもある。しかし、所詮低賃金であり、保険料の増徴には限界がある。また将来の支給額増加因ともなるのだが、その観点は閑却されている。

 何よりも、人口動態や賃金動向が甘すぎるのが最大の問題である。外国人労働者がこれからも増えるような見通しだが、円安の副作用で不可能となるのは確実である。都合の悪いことは見ないふり、先送りできるものは先送り、なのである。

【いいたかないが自己責任】

 朝日の記者は評価しているが、マクロ経済スライドとはインフレに便乗して支給額を減額する悪巧みなのだ。厚労省は所得代替率50%を目標にしており、そこまで落ちていく、落としていくのは確実なのだ。だが、それ以上に悪化してしまうおそれが大である。なにしろ、いい加減な予想に終始する厚労省なのである。年金制度の維持は大切だが、老後の生活設計を自己責任で整えておくことは不可欠なのである。