【草刈りまさに】

 晴れたので、庭と周辺の草刈りである。およそ1時間、被災ぶりなので疲れた。手が震える。

【乱高下する円】

 円が乱高下している。160円を超えたと思ったら153円である。済的基調が円安なのはやむを得ないが、現今の急激な円安は日米の金融政策に悪乗りした投機である。冷や水をあびせるための財務省の介入は正しく、円高への揺り戻しを引き起こした。しばらくはこの「粗い値動き」が続くのだろう。

【力を振り絞っての主張】

 この動きに森永卓郎がスポニチで儲けた2兆円を還元しろと主張している。

 日銀当座預金残高の推移から、4月29日に5兆円超のドル売りの為替介入が行なわれた。その儲けはざっくりと2兆円になる。国民一人2万円還元しろよぉ!というのである。体調万全でない中、ご苦労様です。

【財務省の丸儲け】

 しかし、財務省が対外資産、保有ドルを用いて為替介入したのではない。森永がいうような、ドルの仕込みが7掛けか6掛けで、5兆円介入だと2兆円もうかったとする計算は成立しない。「利益」は介入による相場変動、例えば160円の時にドル売りをして155円の時に買い戻すことで生じた差額である。5兆円投じて1ドル5円利益なら1兆5千億程度である。

 よく分らないのは、外国為替資金特別会計の金ではなく、日銀の金が動いての為替介入ということである。機動的に動くためにとりあえずは日銀の金を使ってドル売りを行ない、後日に決済するということなのだかもしれない。すると日銀の儲けは手数料と決済までの金利分でたいしたことはない、ということになる。日銀が儲かったわけではない。財務省の丸儲け、外国為替特別会計の残高が膨らむ、ということになる。そういう意味では、国民に還元する財源ができた、ということになる。

【究極のインサイダー】

 考えてみればこんなにぼろ儲けできる取引はない。日本が為替介入すれば一気に流れが変わる。底を見据えて売買すれば着実に儲かる。これ以上のインサイダー取引はない。確実に儲かるのだからもっとやればいいのに、と思う。それができないのはアメリカに遠慮しているからなのだろう。ドル売りは、ドル高を是認しているアメリカに日本が逆らうことになる。

 しかし、アメリカはドル1強を謳歌、享受している。安く海外資産を買収できる、安上がりに戦争ができる、てなもんである。だから物価上昇を口実に金利引き下げ拒否を宣言する。その副作用として他国通貨がどんなに安くなってもお構いなしである。

 迷惑を被っているのだから、遠慮することなどない。アメリカがドル買いで対抗するようになるまで、ドル売りをどんどん仕掛けてどんどん儲ければいい。その金で国債を償還し、累積債務を解消する。それこそが真の自衛権の行使である。

【自業自得だとはいえ】

 かつて日本には、1ドル300円になれば全ての経済問題が解決されるといった政治家がいた。一応は大卒らしいが、いったい何を学んできたのだろうか。経済学をかじったことがあるのだろうか。今現在、その半分の160円でとなり、国民生活は切迫の度をましている。海外留学、海外旅行など金持ちの道楽となってしまった。人手不足なのに、日本に遊びに来る外国人は増えても、稼ごうとする就労者は減り始めている。円安がいいことなどちっともないのである。それが困った人に権力を握らせたことの結末である。そういう意味では自業自得なのだが。