【新緑は新芽の季節でもある】

 小雨である。昨夕から断続的に降り続いている。この雨が山野の芽吹きを促す。コゴミ採りに出向く日をいつにするか判断が難しい。例年なら連休直後辺りなのだが、明日からどっと暑くなる予報である。我が家の鉢植えのはすでに葉をひろげているのだけれど。

 と思案しているうちに会津から山菜が届いた。こごみにウドにタラの芽である。じゃあもう取りにいかなくともいいかというとそうではない。自分で汗をかき、見つけ出し、手折るのが楽しいのである。新緑の様子から月末に予定を組むことにした。

【連休シフト】

 さて、送られてきた週刊東洋経済は4月27日と5月4日の合併号である。連休シフトである。世間はもう連休を見据えて動いているのである。その記事の一つに早川英男の「なぜ静かに異次元緩和を脱却できたのか」という、植田改革に関する論説がある。要点は次の様なものである。

 植田和男日銀総裁が金融政策正常化を成功させたのはマクロ経済環境の変化に恵まれたからである。第1に世界的インフレ、第2に賃上げ、第3に円安の恩恵があった。そこに、「なし崩し的」で慎重なYCC廃止、マイナス金利解除の実施である。「巧妙」というべきやり方である。と褒めているのか貶しているのかわからない評価である。

【アホは人を不幸にする】

 早川は植田は運がいいという。しかしこれだから黒田の失敗をまともに総括できない。植田は、当たり前の金融政策を、順当に実施しているだけである。成功はその「まともさ」に発する。

 黒田は運が悪かった、サプライズ政策という手法が悪かっただけ、ということではない。その失敗の原因は、願望を述べるだけだったということにある。経済学でも何でもなかった。ただの呪文だったのである。その当然の帰結として、日銀の財務は悪化し、国民は膨大な債務を背負い込むことになってしまった。

【日本経済の業病】

 つけ加えるのなら、インフレも賃上げも円安の副反応である。切り離して考えるわけにはいかない。輸入価格が上昇し、その下で生活を維持するには賃金を上げざるをえない。円安は、おばかなアベクロ政策の当然の結果であり、とんでもない負の遺産でしかない。 ドルに対して諸国通貨が下落しているが、円は他にマイナスに抜きん出ている。主要国ではトルコリラに次ぎ、ルーブルにすら遅れをとっている。みずほ銀の唐鎌大輔は「インフレでも緩和を止めない」という点において、円とトルコリラは共通すると、すでに22年に指摘している。(2022.4/1東洋経済on-line)この傾向は今なお止まないのだから、もう日本経済の構造的なの宿痾となってしまっているのかもしれない。

【ソープのバブルの下】

 なんとあの減価著しいトルコリラの仲間として括られるようになってしまった。情けないとしかいえないが、対抗策はトルコへの旅行しかない。通貨が日本より減価しているのだから、お安い旅行が可能となるはずである。と思って調べてみると、なんと値上がりしている。不思議でも何でもない。便乗値上げはこんなところにまで及んでいるのである。5%程度の賃上げでは実質賃金値下げとなるのは当たり前なのである。バブル的株価に浮かれている場合ではない。

 もう、山菜でも採って食費を浮かすしかないではないか。