【機能性表示的褒め方】

 最近、子どもをほめすぎるのは良くないとの見解が見られるようになった。愚人を褒めると増長すると気がついたからではない。ほめられない状況に耐えられない子になるから、というような理由だった思う。これまでさんざん、叱るなほめろ、アメリカではそうやっているから、としてきたのが真逆の豹変である。まあいずれも実際の効果など確認せず、効きそうだからととびついていたに過ぎない。無責任の極みであり、例えれば安倍が導入した「機能性表示色品」のようなものだ。当然に毒が含まれていることがある。

【褒めるばかりでは反省しない】

 しかし、惰性とは生き方においても変えられないようで、近日の朝日新聞で詐欺にだまされたおばあちゃんをほめてあげたいという記事があった。孫を思う優しい心は否定できないから、というような内容であった。とばよし読みだから適当な感想だけど、阿呆だと思う。詐欺に引っかかって財産を棄損する人物にほめるところなど微塵もない。本人の財産のことなのだからシャカリキになって叱り飛ばす必要もないが、愚かなことをしてしまったという反省はしっかりしてもらわなければならない。そうでなければまたどこかで似たような失敗やらかすことになる。是とするところなどない。

【褒めてほしい岸田君】

 これは岸田にもいえることである。アメリカでジョークがうけたと悦に入っているようだが、今回の訪米の目的が日米軍事同盟の強化にあるのは間違いない。長ったらしい演説を要約すると次のようになる。

 自由と民主主義、法の支配は日本の国益である。ゆえに、同じ価値観を有する米国のグローバルなパートナーになる。そのために日本は国家安全保障戦略を改定した。世界最大の対米直接投資国である日本の経済力は復調しているというものである。

【愚か者を褒めてはいけない】

 言い換えると、

 アメリカと一緒に世界中どこでも軍事行動できるように、憲法なんか無視して政策転換した。日本の経済力も米国投資に振り向ける。だから褒めてね、ということになる。

 どこに法の支配があるというのか、どこに日本の「国益」があるというのだろうか。ひたすらアメリカ様のため、恒久の従属、属国の宣言でしかない。親分に認められさえすれば日本国民の支持率なんか気にしない。16.5%でも構わない、ということなのだ。ああ、恥ずかしい。

 法を踏み躙り、われわれの財布から何だかんだと札束を盗んでいく輩を褒めてはいけない。きっちりと叱りつける必要がある。それが日本のためである。