【大奥の後の空騒ぎ】

 「大奥」は、アノ大河よりよほどNHKを代表するドラマになっている。豪華なセット、衣裳、それに俳優たちの真剣な演技は出色である。なんといっても、脚本、監督が浪花節のお涙頂戴に堕していない。原作に即した上で、ジェンダーを考えさせる内容になっている。

 男女逆転の封建社会というファンタジーながら、不測の事態で男女の比率が変われば男性優位なんて簡単にひっくり返るとの主張がしっかりと込められている。返す言葉がない。

 そんな「大奥」の後に寝ようとしたら、家人の鑑賞中のドラマが急に暗転した。偵察衛星「万里鏡1号」に関するJアラート発令の空騒ぎである

【アノ日大の先生が!!】

 その空騒ぎを評価する見解が今日の朝日新聞デジタルに載っている。

福田充(日本大学危機管理学部教授)の記事に関する投稿である。以下のようなものである。

【視点】2023年11月22日0時17分 投稿

 …今回の日本政府のJアラートの発表は正しいと考える。

 …衛星用ロケットも…長距離弾道ミサイルの技術とほぼ同じであり、…日本の上空を飛んだ以上は、…住民に情報伝達して、避難行動を促すことは、危機管理上正しいと考えられる。 

 今回は…日本上空を通過して太平洋へ抜けるまで約9分から10分がかかっていることも判明した。…地元の防災行政無線でも故障やトラブルなく無事に情報伝達され、住民に伝わったことも明らかになった。 (ので意義がある)

 あとは…住民が正しい避難行動をとれたかどうかの調査と検証が必要である。 

【ミサイルとも放射能とも無縁な東京】

 「衛星用ロケット」がいつのまにか「離弾道ミサイル」まちがいなしとなり、宇宙空間がさりげなく領空と同義の「上空」となっている。すり替えがお上手なのである。おさだまりの国連決議違反の視点さえ閑却されている。

 ここにあるのは、国際法ではなく軍事的観点からの評価である。敵がやるからには我が国も備えなければならないという国威発揚のための興奮である。

 はるか彼方の沖縄「上空」のロケット飛翔のせいで、北海道その他の無関係な地域までが避難情報一色となる。当然に通常の番組が中断する迷惑などお構いなしである。欲しがりません勝つまではである。

 実際の戦争の際に防災無線が何の役に立つのだろうか。屋内退避がミサイル対策としてどれほど有効なのだろうか。その荒唐無稽さは、ウクライナやガザを見れば一目瞭然である。しかし、想像すらできないらしい。

 第一、西南諸島の島々からどこに逃げればいいというのだろうか。島にミサイルからの逃げ場などない。「正しい避難行動」など不可能なのだ。その不都合な真実が判明したとき、福田センセーは西南諸島への自衛隊、ミサイル配備に反対するようになるのだろうか。「安全」な東京に(たぶん)住みながらである。