【綺麗な前提】

 PRESIDENT Onlineに、立命館アジア太平洋大学(APU)学長である出口 治明の論説がある。

 「若者がお年寄りを支える」のではなく、「困っていない人」が「困っている人」を助けるようにしようという。若者が支払う税金で老人の暮らしを支える日本型の仕組みではなく、リタイアしたお金持ちにも納税させる「みんながみんなを支え合う社会」にしよう、というのである。まあ、それはいい。

【嘘のつき始め】

 しかしその後に、「負担」を集める方法は消費税しかないといいだすともういけない。大嘘を吐く。

 「お金持ちがお金を使えば使うほど、困っている人を助けるお金になる」。消費税は「弱いものイジメ」ではないし、むしろ「弱いもの助け」とも言えるとまでいう。困ったものである。

【課税の影響を無視】

 お金持ちの老人から徴税する方法はいくらでもある。資産課税を強めても良いし、相続税の見直しも一つの方法である。いつまでも居座る高齢役員が居るのだから、所得課税だって有効である。所得再分配のための徴税方法としては、乞食にまで課税する消費税よりよほど効果的である。

 対して、消費税が弱い者いじめなのは間違いない。低所得者は、老いも若きも節約に賢明である。日刊ゲンダイは、帝国データバンクの、「ディスカウントストアなどでの購入で定価販売を避ける動きや、安価なプライベートブランド(PB)製品への移行に代表される『値上げ疲れ』『買い控え』の消費行動がみられる…」との分析を紹介している。消費税の10%がなかったらどれだけ助かることか。消費税は、宝石と同列にに食品にものし掛かってくる。8%軽減税率なんてまやかしでしかない。

【良い子の結論は嘘まみれ】

 「困っている人のためにみんなで負担しましょうという「正しい前提」から、消費税しか道はないという「誤った結論」に誘導する。きれい事を掲げて大嘘をつく。そんな老人に翻弄され、毒される。そんな国になってしまったようである。

 さて、今日は証券会社に行かねばならない。相続対策としての贈与の手続きである。老人も意外に忙しいのである。