【全員手つかず】
日刊ゲンダイが「大阪・関西万博大ピンチ!」との記事を発信している。
「 各国パビリオンの建設申請ゼロの異常事態、開催に間に合うのか?」参加国中、工事に着工した国はまだない。開催日までに建設が間に合わない恐れが濃い、というのだ。
口では「間に合う」と強気な万博協会も、協会による建設肩代わりなどの対策を講じ始めている。日本人が作って日本人が見る外国館である。どこが万博なのだろう。建設資金が回収できない事態も予想されるという。最終的には税負担である。
よーするに、今の日本には身の丈を超えたお祭り、万博をやる力などないということだ。
【無法者の世界】
それなのに万博協会は、27日に「政府に対し、…時間外労働の上限規制を、万博に適用しないよう要望した」。万博建設現場には労働基準法第32条で禁じられている「1日8時間、週40時間」の労働時間規制を外せ、といっているのである。
労働基準法は、「労働者が人たるに値する生活を営むため」の法律である。中でも労働時間は、賃金とともに双璧となる労働者保護規定である。その適用除外を要求するということは、非人間的な労働を認めろということである。過労で何人かが倒れ、後遺症が生じて人生が狂い、あるいは何十人、何百人と死んでも仕方がない。大事なのはお祭り騒ぎの方だ、というわけである。
【トリクルダウンの蛇口とは】
万博協会会長の十倉雅和は日経連会長である。使用者側の代表がこの遵法意識なのである。
労働基準法第32条は「禁止規定」である。一日8時間以上働かせてはならない。違反すれば「6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金」である。(第119条)例外は災害などの緊急時のみだが、労働者の大半が同意するという手続きを経れば、割り増し賃金を払った上で8時間を超えて働かせることができる。労働基準法第36条に基づいた「36協定」である。
労働組合が弱体な日本では、「36協定」に基づく残業が蔓延し、当たり前のようになっている。そのあげくに、32条は「原則規定」であって守れなければ仕方がない、ととらえるオバカサンがあとを絶たない。十倉もそのような人物、あるいはそのような理解のふりをしている人物なのだろう。人の幸福をなんとも思わない悪党である。
【浪花屋、おぬしも悪よのう】
大阪万博を例えるなら、でっちあげのお祭りである。地回りの強面が新たに賭場を開いて儲けようと思いつき、その人集めのためにお祭りを開くことにした。ところが出店が集まらない。何しろ人手不足と諸式の高騰で、祭りなんかやって浮かれている場合ではないのだ。
そこで強面は、強引に若い衆を集め、終日働かせることであくまで祭りを開くことにした。認めてもらうようにお代官様にお願いをした。もちろん、応分のそでの下を払う準備はできている。なに、税金からの補填は約束されている。また、ご開帳となればそのくらいの小判などたちまちに回収できる。そういう企みである。
【祭りばやしのその後に】
万博の終ったあとの日本はどうなるのだろう。
お上の公認の下に労働法が骨抜きとなっただけでなく、法の支配どころか法治主義さえ怪しげで、使い捨てにされた若い衆が入り浸る賭場が賑わい、一発逆転の儲け話が蔓延する社会。工場は荒廃し、まともな生産など疎かにされる。万博にこだわる連中は、日本をそのような社会にしたい、と考えているのだろう。
悪巧みを、体裁を取り繕いつつ進めようとする政党など、それこそいらない。