症例
転倒後に急速に症状が進行。両上下肢の筋力低下、巧緻運動障害、排泄障害が顕著となり、現状維持を目的として手術適応となる。術後、顕著な回復を得られないまま、COVID-19に院内感染。 COVID-19陰性確認も、長期にわたり仰臥位が続いたことで、強い湿性咳嗽の症状が現れるも、回復期リハビリ病棟へ転院となる。直後に誤嚥性肺炎との診断で、治療困難となり、別の急性期病棟へ転院となる。そこで、肺化膿症(肺膿瘍)・膿胸の診断。ADLレベルは悪化の一途をたどり、リハビリ困難との診断 療養病床への転院後、患者本人のモチベーションの低下が大きい上に、十分なリハビリテーションが行われないまま、老人保健施設への入所が決まる。入所後まもなくして、肺炎が再燃し死亡転帰となる。 

こちらの症例は、新型コロナワクチンは未接種

この症例は、頚椎症性脊髄症の除圧術(後方椎弓形成術)後にCOVID-19に院内感染し、最終的に死亡する事態でした。

転倒後、症状が急速に進行し、両上下肢の筋力低下、巧緻運動障害、排泄障害などが顕著になり、手術が必要とされました。しかし、手術後に顕著な回復が見られず、COVID-19に院内感染してしまいます。COVID-19の陰性確認があったものの、仰臥位が続いたことで咳嗽の症状が現れ、さらに誤嚥性肺炎の診断を受けます。その後、肺化膿症(肺膿瘍)・膿胸と診断され、ADLレベルが悪化していき、リハビリが困難な状況となりました。

療養病床への転院後も、患者のモチベーションの低下や不適切なリハビリテーションが行われたまま、老人保健施設への入所が決まります。入所後に肺炎が再燃し、最終的に死亡という結果に至りました。

この症例からは、手術後の感染症リスクや、高齢者やリハビリが困難な患者の場合における治療上の課題が浮き彫りになります。また、新型コロナワクチン未接種であったことも、重症化の要因の一つとして考えられるでしょう。