
最近観た映画の中で、とても考えさせられたのが、この「Adopted」。韓国系アメリカ人の女性監督が国際養子縁組の問題を取り上げた作品です。この、Barb Leeという監督は、韓国からアメリカの白人の両親にAdoptされ、アメリカ人として育つ中で、自分のアイデンティティーに悩み、多くのAdoptee(養子)が成人してから同じような悩みを持っていること知り、この映画を作ったそうです。
韓国からアメリカへの養子縁組は1950年代から始まり、子供たちは、白人の家庭に迎えられ、白人のコミュニティーで育てられたケースが多い。彼らの両親は、養子にその子のバックグラウンドなど(どこで生まれたとか、誰が産みの母親なのか、どの施設で育ったとか)を話さず、とにかく自分の子供として育ててきた。Adoption Agencyも、あまり知識がなく、とにかく自分の子として愛しなさいと指導してきたらしい。
この映画に出てくる、女性は、30歳代、韓国系アメリカ人で白人の両親と兄という構成の家庭で育った。彼女の自分に何か足りない、どこにも居場所がないという感情がとても切実だ。学校で目が細いといじめられた。アジア人に対する差別を受けたと彼女は感じているのに、両親は自分を守ってくれなかったという怒りを持っている。彼女が怒りをぶつけても、両親は、人種差別は自分達に何もできなかったことだと答える。また、両親は、韓国の文化の事を何も知らないし、知る必要をあまり感じていない。彼らにとっては、この女性は、我が娘であり、大事に育ててきたから。我が娘から、産みの母親の話をされると、私の事を愛していないのかと傷ついてしまう母親。そして、この女性は自分探しの旅に出て、韓国に行くが、そこでも自分は韓国人ではないと、自分の居場所がないと感じてしまい、失望を抱えて生きている。
この女性と両親、兄との会話を見ていて、とても切なくなった。彼女の心の叫びが伝わってきました。
現在では、養子をどう育てるべきかという研究が進んでいて、養子を迎える家族のトレーニングが義務付けられています。我が子に養子として家族に迎えたことを、小さい時からオープンに話していくとこが大切だとされています。また、我が子の国の文化、言葉を尊重し、この子が触れていく機会をもつのも大切だとされています。
"When love is not enough."というサブタイトルのように、我が子が自分は自分でいいのだというアイデンティティーをもって生きていけるように育てていくのは、ただ愛情をそそぐだけでは足りないのだと痛感しました。