いろいろな死 | 週刊さんでいリターンズ

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起業系コメントが面倒になったので(わしはまだ病院にいたいんだお)、コメントは承認制にしました。基本知ってる人のコメント以外は承認しませんのであしからず。1日10人も見にこないブログで営業しても効果は少なかろうになあ、ご苦労さま。まあ、頑張ってくれ。

こばわ。


たぶん、今頃、私の大事な患者さんが亡くなっているはず(泣

守秘義務云々あるので当然詳細は言えないが、切ないなあ。


それは置いといて、重症部屋の看護師さんが言ってたことを一つ。
「それまで誰も見舞いに来なかったのに、死にそうだとなったら突然親類が20人ぐらいやってきて、病状そっちのけで遺産分配の話を始めた」

まあ、看護師さんはよく見る話らしいすよ。


それも置いといて(w)、今週も複数有名人の方が亡くなられたのだが、わしが驚いたのが競馬評論家でSF作家の山野浩一氏が亡くなられたことだ。


彼のブログはかつて良く読んでいた。なぜなら、恐らく奥方がPE(肺塞栓症)からの低酸素脳症(ブログから読む限りではたぶん)による重度四肢麻痺で、わしが所属していた病院でリハを受けられていたからだ。


素人なりの間違いはありながら(失礼な言い方であることは重々承知)、作家さんの優れた観察力と描写で書かれたかつての「当院リハ」はPTとして参考になっただけでなく、氏の懸命な介護や「患者さんのご家族の気持ち」には大変心を打たれた。

わしが持病発症で休職することになり、かつての当院に通院していた際に、同じく通院中とおぼしきご夫婦をお見掛けしたこともあった。奥方の車いすを押す氏は笑顔でご夫婦の間には穏やかな時が流れていた。



全介助の奥方なれど、10年その生活で旅行やショートステイや落ち着いた日々をお過ごしのようであったし、リハは訪問主体に代わっていたようなので、氏のブログからは遠ざかっていたのだが、ヤフーニュースを見て急いでブログを見に行ったところ、体調を崩して食道がんとわかってからわずか半年足らずでお亡くなりになったようだ。


亡くなる1週間前の最後のブログには、脳の変調を表す記述(興味深い)と、奥様含む全ての懸案事項を処理して次に入院する時は死ぬ時だろうとの覚悟を表す言葉が、ずばりはっきりと「さようなら」と記されている。


なんというか、見事な死に際だ。


医者でもNrs.でもない一介のPTとは言え、そこそこいろいろな死をみているので言ってみるが、「若い人」の癌は決着が早いなあ。



それに関連して、癌の親への医療の引き際を間違えて、元官僚の妻でという安泰な身分を失った貧困高学歴初老女性の悲哀話がネットニュースに出回っているのだが、どう解釈していいのかコメントに困る今日この頃。

いや、誰もわしにはコメントは求めていないだろうがw。でも、件の元官僚の妻ばかりでなく、死が誰にでも、自分にも当たり前にくるイベントだと理解できてないと、負けることが分かっていることに何千万と金をかけてしまう、わしらギャンブラーより質の悪い事象に陥る高学歴中高年=あまり考えたくないが”よろしくない業者さんのカモ”がこれから増えるような気がするよ。ちなみに若年層は金がないので(以下略



本日の結論:わしは患者さんを助けるためにここに働きに来た。見送るために来たんじゃない。ここで目的が果たせないなら遠くないうちに新しい職場に出ていくよ。年齢的に厳しいかもしれんし、希望のところには断られるかもしれん。しかし、わしは行くよ。行って必ず誰かを助けるよ。