抜け出したい、と青年は言った。京王線の中で大学生だか社会人になりたてと思われる男の子2人が話していた。 話の途中、電車が動き始めると青年の1人が窓ガラスにVサインを押し付けている。 「やめろよ」彼の相方が止める。 「いいじゃねえか、つまんない毎日なんだから。誰か(サイン)返してくんねーかな」 そういう青年を見つけたらVサインを返してあげてみてください。 青年の人生に一陣の清涼な風を。 あ、あたしっすか?多分やらない。これ以上変だと思われたくないもん。