宿題やってます。電車の中で読書感想文(!)の課題作の中の一つ、
渡辺淳一の「雪舞」を読んでいたら隣に座ってたじじい、いや老紳士に
話しかけられた。
「渡辺淳一、お好きなんですか?」
「いえ。(きっぱり)小論文の課題なんです」
じじい、もとい老紳士は最近本を読む若い人は珍しいから私に話しかけた、
と前置きして浅田次郎や渡辺淳一の良さを語り始めた。渡辺淳一読むぐらいで
喜ばれてもなあ。
私が冷たかったのは私が悪いのでなく、じじいじゃなくて老紳士のせいでもない。
強いて言うならばそれは渡辺淳一は失楽園イメージが強すぎるのだ。
日経朝刊連載時、朝からこんなもん読ませるなよ、と結構むかむかしていたわし。
だったら読むなよ。(笑)いや、渡辺淳一の全てが悪いのではなくて「雪舞」は
我々にとって問題提起の多い、重い作品でありまして意見をまとめ中である。が、
「あの、エロティックなところがいい小説でねえ、(へらへらへ)」
とか言われると、じじいと不倫したい女だと思ってるのではないか?とか
余計な事を考えてしまう。たぶん漱石や鴎外や三島や有島あたりについてなら
あんなにつっけんどんに答えずにもっとお返事しただろうに、と思いつつ
ちょっと反省している私なのである。
しかし。好みの本から察するに、じーさん、ロマンチストやねえ。
あんなタイプの女なんて現実にはいないいないいない。