Encountered a very scientific but spiritual wisdom - Naturally fermented lactic acid and yeast from organic brown rice, nurtured by Cobo Ueda Family. 

 

スローフードシェフたちの三浦探訪記その3、永島農園の永島太一郎くんの案内でCOBOウエダ家を訪れ、信じられない菌の世界に出会い、目から鱗が落ちまくりました。

 

 

「30-40代から下の世代は、腸内環境が不安定なことが多く、漢方薬を施しても、 薬効として届きにくい。原因は、お米を食べなくなっていることも関与しているのでは?」

 

それなら、お米由来の健康な菌を身体に取り入れましょう、と15年の研究を経て開発された「自然発酵乳酸菌」の話。

 

自然栽培の健康な玄米には、たくさんの土壌菌がついている。それを水につけ、2〜4度で40日間保管すると、他の菌は働きを抑えられ、寒さに強い乳酸菌が増えはじめる。やがて酵母も育ち、酵母菌と乳酸菌が共生する「自然発酵乳酸菌」となる。

 

 

「乳酸菌と酵母菌は、一緒にいてこそ生きています。ヨーグルトには乳酸菌、パンにはイーストという風に、安定させたいからと分断し、他の菌の働きをとめてしまうのが今の世の中だけど、それじゃ腸内での働きも弱まる。消化も難しくなる」

 

だから、COBOウエダ家では、酵母菌と乳酸菌が共生する一番いい環境(=発酵初期段階)で、水を抜き、フリーズドライ。このパウダーが、万能の薬であり、調味料なのでした。

 

 

ぬか床に混ぜれば臭いを消し、
水で溶けば出汁にもなり、
素材の良さを引き出す媒介となり、
肉や魚の臭みをとって身はふっくら、
ずっしり地粉もふんわりとふくらませ、
紅花油と豆乳と混ぜて乳化させれば絶品ディップに。

 

「料理するのは、人じゃない。菌なんです。素材と素材の響きあいなんです」って。

 

これ、水で薄めて肌に塗れば化粧水に、
毎日とれば腸内環境もビックリするほど元気に。
お米の乳酸菌だから、身体に抵抗なく入ります。

 

 

「もともと、朝に夕に米を食べていた時代は、自然と身体に取り込んでいたものでした。その菌を培養することで、安定して供給しているだけなんです」

 

「菌が好きなのは、ササニシキか、それより前の種です。品種改良を重ねすぎた米では、うまく育ちません。野菜も同じ。なるべく自然な状態で育ったものほど、菌たちと相性がいい」

 

...な、なるほどー!

 

「私たちがやっているのは、発酵じゃない。生態系の研究なんです。生態系の中で、見えないけれど大事な菌の役割を研究しつづけたら、こうなっただけ」

 

...生態系の研究。確かに。

 

料理に近いようでいて、実際にはパーマカルチャーでもある。麹よりさらに太古からある自然な菌の世界を、人が再現するということ。深すぎて、もはやSFの世界です。笑

 

 

自家製天然酵母の研究からはじまって、15年。
人の腸内環境にも、すべての食材の細胞にも、いちばんいい形で働きかける宇宙の法則を、地道な科学的研究で数値化して説明できるところまで成功してしまった、スゴい人たちでした。

 

イタリアはアスティーで不耕起栽培のブドウを育てていたワイナリー Case Corini の当主と、ウエダ家当主が、人種を越えて同じ目をしていたのも、印象的だった♡ 目に見えない世界で生きるものたちの力を知っている人の眼差し、憧れる…。

 

生命の神秘。
リアルなナウシカの世界が、すぐそこにありました。