I will be one of the speakers at forum "Rethinking School Canteen" at Terra Madre Salone del Gusto on Sep 25 at 1:30pm. Please join if you are in town!! (Details: 
http://www.salonedelgusto.com/en/140821event/?ev=278)

 

 

いよいよ来週からスローフードの祭典@トリノへ!

 

今週中は必死で仕事を終え、着付けを学び直し、プレゼン準備です。食の分野で活躍する友人たちを通訳としてお手伝いできるのも嬉しいし、スピーカーとしても「学校給食を考える」フォーラムに登壇することになりました。イタリア、米国、デンマーク、チェコからの登壇者に並び、日本の学校の話をしてきます。

 

(わ、私でいいのかな・・・? と思いつつ)

 

日本の給食、欧米のに比べて「悪くない」と思っていたけれど、エディブルスクールヤードジャパン代表の 堀口博子 さんに教えていただいた給食改革の例をまとめていたら、本当にワクワクしてきた。まだまだできること、ありますね。草の根で「食」から世界を変える人たちの、なんと輝いていることか!

 

・福岡ではじまり、全国に広がる「弁当の日」
https://f-ouen.com/bento/

 

・愛媛で給食室の前に世界地図を貼った丹下晴美先生
http://www.ruralnet.or.jp/syokunou/200604/01_1.html

 

・東京・境南小学校のオーガニック給食
http://www.worldfoodday-japan.net/join/interviews/?p=46
http://www.musashino-city.ed.jp/…/04_kyoun…/menu_pickup.html

 

などなどなどなど、日本にもたくさんの素晴らしい事例があります。(帰国したら、三浦半島でも パーマカルチャー母ちゃん たちと「改革」、しかけたい!)

 

なかでもスゴいと思ったのは、武蔵境の境南小学校の例。36年間勤めた管理栄養士の海老原洋子さんの取り組みがパワフルすぎます。

 

海老原さん、オーガニック給食の必要性を先生たちに理解してもらうために、職員室に採れたて野菜をズラリと並べて先生たちに持ち帰ってもらい、まずは先生に「おいしい」を実感してもらうところからはじめました。最後の先生がついに野菜を持ち帰った翌年、オーガニック給食がはじまったそうです。な、なんという粘り強さ。

 

有機農家さんで、全校生徒数百人のために野菜をつくってもらうのは大変なこと。年度始めに献立を考えたら農家さんを学校に招き、どの月になにがどのくらい必要か、「前期はタマネギが○トン、ジャガイモが○トン必要です」と、作付け会議を行います。学校給食を改革し、子どもに安全な食事を提供しながら、志高い農家さんの仕事も作っている。すごー。

 

豚は、有機農業研究会の方が飼育している豚を一頭買い。自家飼料のかぼちゃやとうもろこし、穀物などを与えられ、病気の際も抗生物質を投与していない豚です。出汁をとるために、骨まで大事に使います。バラ肉やロースなど使いやすい部位だけ買って「あとは知らない」ではなくて「一頭買い」するところからも、ああ、子どもたちの安全だけでなく、世界全体を見渡す目を持っている方なのだと感激します。

 

学校での改革は、子ども・先生・保護者・教育委員会・地元行政・県政・提携農家・加工品企業など関わる人が多岐にわたるから大変。そんな中、管理栄養士さんが活躍しているのは、どういうわけでしょう?

 

「校長先生は数年で変わる。保護者も、兄弟がいたとしても6年前後しか学校に関わらないのが一般的。管理栄養士さんは、選べば、定年までその学校に勤めることができる」と博子さん。

 

な、なるほどー! 改革の鍵は、食を知り、農家とつながり、学校勤務が長い、料理人にあるのかもしれません・・・。そういえば、アリス・ウォータースのお膝元、MLK中学校でもシェフのアン・クーパーさん(http://www.chefannfoundation.org)の大活躍で素晴らしい食堂ができていました。

 

畑とキッチンを学校につくり、荒れた中学校を再生させたアリス・ウォータース。英国で給食革命を起こしたジェイミー・オリバー。貧しい家に生まれた子どもたちでも通える料理学校を設立し、ペルーで「美味しい革命」をおこしているガストン・アクリオ。そうだそうだ、彼らはみんな、料理人です。かっこいいなー!

 

紛争、広がる格差、環境問題・・・ 世界規模の課題は多く、それに真正面から立ち向かおうと努力を続けると、気付けばどの国際会議もエリートたち独壇場の議論の場になっていることに気がつきます。(もちろん、それはそれで、意味があるのだけれども)

食べる、ということを真ん中に持ってくるだけで、集まる人は、農家であり、漁師であり、シェフであり、小売店の店主であり、学校教師であり、母親たちに変わっていく。そして皆で、「美味しいね」と頷きあいながら、食卓を介して、こんなにもしっかりと世界とつながることができる。

 

うーん。食の世界、深いな。

 

来週からはじまる Terra Madre Salone del Gustoには、そんな風にして世界中から、思いある草の根の人たちが集まります。

 

「グローバル課題へのハッとするような解決策はいつも、徹底的にローカルに根ざして頑張る人たちの中にある」

 

地球一周をとおして自分なりに得た哲学が、音を立ててかたちになるのを見に行くような気持ちです。ああ、本当に楽しみ♡