hanako
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ひさしぶりに、伊勢華子ちゃん (*1 文末にプロフィール) に会った。



華ちゃんは、
3年前の第43回「地球一周の船旅」に一緒に乗って以来の素敵なお友達。

6年前の第28回「地球一周の船旅」で訪れた18寄港地すべての場所で

子ども達の絵を集めた華ちゃん。

どの港でも、たくさんの画用紙と色えんぴつを持って降りて、

「あなたのたからものは何ですか?」と質問して、その絵を描いてもらう。


土地によって、こどものたからものはみんな違う。

みんな違って美しいところが、地球のどこでもみんな同じ。


帰国した華ちゃんは、地球のいろんな土地で集めた子どもたちの絵とことばを
「たからもの」って何ですかという素敵な一冊の本にまとめた。




takaramono    sekaichizu


「たからもの」って何ですか(2002年、パロル舎)      ひとつのせかいちず

伊勢華子 編・著                    伊勢華子編・著




それを出版するだけでスゴイのに、
華ちゃんの粋なところはその先にある。

出版後、3年。
ピースボートが第28回クルーズとほとんど同じ航路を発表するのを待ち、
本を携えて再乗船。
3年前の連絡先をたよりに、絵を描いたこどもたちを訪ねてまわったのだった。

なかには連絡先のない家もあって、
「たしか、ベトナムのあの子は、この市場のお菓子屋さんの隣の花屋のお母さんの子だっけな」
という感じで記憶を頼りに訪ねたことも。

自分の絵が、世界中のほかの子どものたからものと一緒に
素敵な一冊の本になるのを見た子たちは大喜び。 
きっと、広い地球に思いをはせるんだろうな。


華ちゃんは、
現在「asobot」プロデュースで東京メトロのフリーペーパー「metropolitana」や
タワーレコードなどに置いてあるエッジな情報誌「generation times(*2)」ほか、
たくさんの場所で文筆家として活躍している。

そんな華ちゃんが今取り組んでいるプロジェクトは、
「ほんとうの日本地図」を作ること。

私たちが普段目にする日本地図では
ひとつの小さな「点」としてしか描かれていない島が、実はこの国にはたくさんある。
そんな島々を、今華ちゃんはひとつずつ訪れている。

(数を数えてもしかたないけれど、
もうそろそろ50の島の人々に出会っているそう!)


島それぞれに文化があり、
特有の食や笑顔があり、
どこもとっても魅力的だけど、
とてもとても小さいので、日本地図上ではいつも無視される。
島に住む人々が日本地図で自分の住む土地のカタチを見ることはない。

華ちゃんは、ひとつずつの島を歩いて、
それぞれの島の魅力を物語で語りながら見せるような、
「ほんとうの日本地図」を作るんだって。


すてきだー!!!



自分の足で立って、自分の表現を続け、
それでいて社会に背うぃおむけるのでなく、
社会にいいつながりを広げている友達がたくさんいる。

私は、自分の表現作業をピースボートにたよってしまうことが多いけど、
華ちゃんに会って、なんだかしゃきっとした。

こういう自由な生きかたができる人が、もっと世の中に増えていったらいいな。
そういう自由な生きかたを応援できるような社会になっていくといいな。



オトナっていうのは、
そんな粋な社会を作っている人のことでしょう。

私も、素敵なオトナになろう。





*1 伊勢華子 (文筆家)
1973年生まれ、東京育ち。学生時代より、ボスニア難民キャンプ、
サハラ砂漠でのオアシスづくりなど世界をめぐる。学習院大学大学院修了後、
現在は文筆家として「心のやわらかさ」をテーマとした執筆を中心に、日本各地の田舎で
子どもとつくる『旅するスクール』開校や、講演をおこなう。
著書に、世界各地の子どもが自分の宝物や心の世界地図を描いた絵本『「たからもの」って何ですか』、
『ひとつのせかいちず』。子どもの鋭くも、やさしい言葉がつまる『みみをすませば』。
このほかの活動に『Kinki Kids』への作詞提供。NHK『視点・論点』出演など。
また、『ASOBOT』のメンバーでもある。


http://www.isehanaco.jp/


*2 Generation Times(ジェネレーション・タイムズ)
次の時代を担う若き世代と一緒にこれからの時代のカタチを考えるための
まったく新しいジャーナル・タブロイド誌。
リクルートの「R25」より、ずーっと硬派で、かなり読み応えあり。
記事の内容が素敵すぎて、電車の中で泣いたこともあるよ。
まだ知らない人は、要チェックです。

http://www.generationtimes.jp/