ヒトの手、指、鼻粘膜、ブドウ球菌という菌は至る所に存在しております。

最も、警戒を要するブドウ球菌が黄色ブドウ球菌と呼ばれる菌種です、

この菌が食品中で産生する毒素(エンテロトキシン)が食中毒症状を惹起する

物質で、厄介なのは、この物質が熱に強いという性質があるということですね。

 

この黄色ブドウ球菌の食中毒予防は、だいたい良く言われることですが

菌を付けない、増やさない、死滅させるということなんですが、前述のとおり

この黄色ブドウ球菌自体は熱には弱い、しかしそれまでに作られた毒素は

耐熱で食品中に残っているという点が、問題、だからこそ

菌を付けないという、基本概念が最も重要視される菌ではないでしょうか。

 

では、ヒトの手、指のブドウ球菌の付着度合を

(黄色)ブドウ球菌スタンプで検証してみたいと思います。

一般細菌数用のスタンプ上に発生した様々な菌のコロニー

 48時間培養すると、このような特徴あるコロニーを呈します。

 黄色ブドウ球菌用のスタンプです、見た目は一般細菌用と同じような色調

 これに、一般細菌用スタンプに発生したコロニーを付着させてみます。

 

これを36℃で24時間培養します。

ご覧のように、移行させたコロニーのうち、いくつかのコロニーが

黒色に変化しました。

これがブドウ球菌用スタンプ培地でのブドウ球菌の反応です。

ブドウ球菌以外の菌は発育できません、更に黄色ブドウ球菌は

黒いコロニーの周りにうすい黄色の反応が出るんですが、今回は

それは認められず、表皮ブドウ球菌のみの存在を示しました。