犬にぺろぺろと顔をなめられた少年が叫ぶ、
アハハ、ジョン、くすぐったいよ!
映画などでお馴染みのほほえましいワンシーンだ。
だが猫ではこうはいかない。
犬ほどなめない、というだけではない。
猫になめられると、くすぐったいではすまないからだ。
イテ、イテテテ、トラニャ、痛いんだってば!
デブ猫とおっさんが戯れるシーンというのは、
たいていの人にとって見たくない情景だ、
とういのは置いといて、
猫になめられると痛い。
猫の舌は、犬よりもはるかにザラザラしており、
なめられると、まるでヤスリをかけられているように、
皮膚が痛むのである。
ペロペロというより、ザリザリ、ジョリジョリ、という
感じだ。
舌のザラザラは、骨から肉をこそげおとすときに
役立つのだそうだ。
だから、仕方ない、と思っていたのだが、
トラニャにウィスキーを飲ませているときに気づいた。
--あれ?痛くない。
手のひらに一しずく落としたのをなめさせていると、
ほとんど犬になめられているような、ぺろぺろという
感じなのである。
その後気をつけていると、なめる対象・状況によって、
ザリザリとぺろぺろを使い分けているのが分かった。
なめるときに力を込めると、トゲが立ってザリザリになり、
力を抜いてなでるようにすると、トゲが寝てペロペロになる。
そんな感じなのだ。
まるで舌が二枚あるみたいだ。
それはいいのだが、どうしてわたしをなめるときは
決まってザリザリなのだ?
なめ~~~~~~