昔は、どこのウィスキー蒸留所でも、
猫を飼っていたそうだ。
原料の大麦をネズミに食われないためである。
その猫は、ウィスキーキャット(ディスティラリーキャット)
と呼ばれた。
タウザーという猫(グレンタレット蒸留所)は、
24年間の生涯に、3万匹近くのネズミを捕ったとして
ギネスブックに記録されている。
今では、EUの衛生基準のためにほとんど排除されてしまった。
残っているのは象徴的存在としてだ。
残念ながら、ウチの猫はそんな器用なまねはできない。
だが、猫がいるとネズミが近寄らないようだ。
恐怖心が遺伝子に刻み込まれているのかもしれない。
ついでながら、ゴキブリも出なくなった。
こっちは‥‥ 。いや、深く考えるのはよそう。
3匹のうち、トラニャだけ酒を飲む。
わたしが飲んでいると、欲しがってよってくる。
ちょこんとお座りをして、舌なめずりをする。
わざとらしくピチャピチャ音を立てるときも。
こいつは、ウィスキーとビールとで飲み方が違う。
ウィスキーの時は小さく舌を動かして少しずつ、
ビールの時は大きく舌を動かしてたくさん飲む、
というかなめる。
ウィスキーはちびちび、ビールはグイッと。
こいつ、猫のくせに分かってるじゃないか!
いや、もちろん、刺激が強いと
いっぺんに飲めないだけの話だろうけれど。
*言うまでもなく、たくさん舐めさせたりはしない。
ウィスキーはほんの一滴、
ビールも小さじに一杯以下である。
体にいいわけはないんだが、このくらいなら害になるまい。
猫と酒を飲むって魅力にはなかなか逆らいがたいものがある。