中小企業と大企業では当然ですが、大きな違いがあります。

 

中小企業は人・モノ・金・情報という経営資源で大企業に劣っているため、独自性や機動力によって差別化をしているというのが良くある説明です。

 

確かにその通りですが、中小企業内部に入ってみるとわかるのが全ての基準が不明確であるということです。

 

基準とは、ビジョンや経営理念などの考え方、目標や予算などの数字、会社を動かしていくための規則やルールのことを言います。

 

 

「会社がまだまだ小さいのだからこんなものは必要ない」

 

 

確かに会社の大きさによって整備の度合いは異なると思いますが、経営理念などの会社の考え方や価値観は規模に関係なく明確にしておくべきでしょう。

 

お客様や取引先だってその会社がどのような考えで成り立っているのかを気にしない訳ではありません。

 

それぞれについて具体的に説明していきます。

 

 

①ビジョンや経営理念などの考え方が不明確

とにかく明日のご飯のために仕事をしているという方もいるので全てではないですが、会社を経営している以上は何らかの目的があったり理想とする状態があるはずです。

 

これらがないと会社が向かうべき方向性も定まらないし、いざという時の仕事の判断基準がないということになります。

 

特に経営理念は非常に重要です。

 

経営理念は、会社の存在意義を表しているもので、仕事の判断基準の大元になります。

 

仕事をしているとどちらも正しい意見に出くわすことが多々あります。

 

例えば、ある食品加工会社で、「お客様のニーズに応えるために一定の在庫が必要だ。」という意見と「品質が大事だ。在庫として持っておくと劣化する。」という意見があるとします。

 

前者はお客様の「今、すぐに欲しい」というニーズを考えており、後者は「良いものが欲しい」というニーズを考えており、どちらも正しいと言えるでしょう。

 

しかし、この会社の理念が「とにかく品質の良いものを提供する」というものであれば、後者を選択することが正しい判断になるでしょう。

 

このように経営理念は、社長一人の会社であろうと、従業員が多数いる会社であろうと、全ての人の仕事の判断基準になります。

 

「うちの会社はこういう理念だから、こちらを選ぶべきだ」と判断することができます。

 

他にもビジョンやミッション、バリューなどがありますが、中小企業ではこれらが明文化されていなく関係者がどこに価値を置いて仕事をすれば良いかわからなくなっていることが散見されます。

 

 

②目標や予算など経営数字が不明確

売上が足りないなどの話を経営者からされることはあるようですが、その売上がどのように使われて、どの程度の利益になっているのかが不明確な場合が多いのが中小企業です。

 

売上の過不足がわからないのですから、やるべき数字である目標や使っていい予算などもわかりません。

 

これでは計画的に仕事を進めたり、施策を打つこともできないでしょう。

 

私が中小企業の会議(そもそも会議を行っていないところがほとんどですが)に参加をすると、3ヶ月分ほどの売上の数字だけが用意されており、「売上を上げるためにはどうするのか?」などと唐突な質問とともに議論が始まります。

 

 

どの商品が売れているのか?

 

どの顧客に売れているのか?

 

どの地域で売れているのか?

 

どの商品の利益率が高いのか?低いのか?

 

 

このような現状の内訳もないまま会議が始まるので、とにかく声の大きな人が意見をどんどん言っていきます。

 

また従業員がわからないなりに口を開けば、「こういう状況だからそれは間違っている。そんな意見だめだ。」と頭ごなしに否定をされてしまうこともあります。

 

「こういう状況だから・・・」を連携していないからそうなるのに・・・と思わざるをえません。

 

 

大企業ではこれらの経営数字がまとめられていることが多く、データを元に会議が進められていきます。

 

 

「この商品は意外と売れていないですね」

 

「この地域が伸びているので力を入れていきましょう」

 

「主力だったこの商品は利益率が悪くなっている。なぜか?」

 

 

データという共通言語があるため、現状把握は数字の解釈による差はありますが、そこまでブレません。

 

こんな状況があるか!!と思うかもしれませんが、ほとんどの中小企業がこのような状況です。

 

 

③規則やルールが不明確

会社は組織なので昇級のルールや管理すべきことがルール化されています。

 

立ち上げたばかりの会社は、規則やルールが未整備であり、整備をする方が悪影響という場合もあります。

 

しかし、会社が少しずつ大きくなっていくにつれて規則やルールは適した形で整えていく必要があります。

 

特に未整備で悪影響が大きいのが、評価体系と教育体系です。

 

評価体系とは、仕事を評価して従業員の待遇の良し悪しを決める仕組みのことです。

 

教育体系とは、会社の仕事の品質をある程度一定以上に保つための仕組みとしておきましょう。

 

これらがないので従業員は、「何をやったら評価されるのかもわからないし、どうやって仕事を覚えたらいいの?」という状態になっています。

 

 

 

社長からすると不明確な方がやりやすいというのが本音なのではないでしょうか?

 

一回明確にしてしまうと変更しにくいので・・・と。

 

確かに社内規定などは簡単に変更ができないかもしれませんが、それでも良い会社にしていくためには曖昧なままにするのではなく明瞭にしていく必要があります。

 

どれも骨の折れる仕事がですが、一つずつ取り組んでいくことが必要です。

 

社長が「最近頑張っているから1万円昇級だな」など社長の一存だけでやっていると不満が社長という個人に向かいます。

 

誰しも生殺与奪権を持たれたくはありません。

 

しかし、規則やルールがあれば割と割り切れます。

 

その他にも休みを取るためのルールやクレームの時の対応などルールを作って共有すべきところはたくさんありますが、中小企業ではほとんどが「社長の一存による」という状態になっています。

 

これでは社長の業務は減らないし、組織化もされないし、新しいことを考える余裕も生まれません。

 

 

 

まずは少しずつ、一つずつ明確にすることから始めていきましょう。