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PAUL

病院と警察での事故処理に呼び出された後、すっかり吐き気と首の痛みが充満して、全てが中途半端な公務員女性に罵られたような不快感に襲われる。ここ最近はいつものことだ。
嘘くさい自分の煤煙のような情感を、もっと前面にひけらかしてひきちぎりたくなる衝動。
ボロ雑巾のような気持ちまでいくと、もう気持ちいい。
腐った果実が魅力的なそれと似て。


うんざりするほど呼吸は綺麗だった。
過激さは体中の端々に食われ、不感症に恋をした。
空気を噛み砕く...。
下水道の味がした。


本日は名店カフェ、「PAUL」でランティ。

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何も考えずに入ることにした。

フランス北部の街リールで、1889年に創業したPAUL。
現在も創業当時のレシピと製法を厳格に守り続けている。

東京は新宿・品川・六本木・日本橋....、と9店舗構え、大阪・兵庫・福岡と全国展開している。

まずクロワッサンにぶっ飛ぶ。
最近、トラックにぶっ飛ばされたばかりだが、またMCUC(むちうち)がひどくなりそうだ。
フランスから直輸入の生地だそうだ。
人生のなかで5本の指に入る。

ふんわあ と、パリッツ の芸術的バランス。
7:3くらいだろうか。個人的には8.5:1.5がベストなのだが。
でも酵母にクセがなく、だのに口にしたことがないようなオリジナリティーがある。
特異的である。

気にいった私は、このクロワッサンに生ハムがサンドされているものも頼んだ。
挟むハムやカマンベールチーズも主張しすぎない。なのに主役級。
名作マンガ・スラムダンクの山王工業で言えばガードの松本だ。
超エース・沢北さえいなければどこでもエースをはれるだけのポテンシャル。

調子にのった私はトマトサンドも頼む。
洗練されたバジルソースが酸味を内包したトマトとカマンベールチーズに洒脱にまどろむ。
お見事過ぎて、逆にランチのストーリー性がなくなる。

コーヒーは丸い。丸い味 というのも、まろやかとはまた違う。
丸いのである。
ストイックな程に酸味を蒸留、浄化したような。
揺るぎない芳香は孤独さえ感じさせた。

ブーランジェもやはりあまり日本で味わったことのないような風味と芳醇さを兼ね揃えている。
噛めば噛む程変化する味に驚嘆の連続。

全体的に、主張しないのに饒舌。
気品ある女性のようだ。麻衣ちゃんだ。笑

もうすっかり射精後の心地よさ。

今日は今月2台目のシンセが届く日ハート

店を出ると、曇り空が晴天の模倣をしていた...。