SUN and FUN blog -139ページ目

TPPについて

TPP(環太平洋パートナーシップ)

各国間の輸出入にはひとつひとつの産業・製品に関税というものがあります。これは内需を保護する為でもあります。関税は、制御装置なのです。

しかし、この関税を自由化=0にしようというのがこのTPPなのです。

「自由貿易」、「環太平洋パートナーシップ」なんて聞くと凄く魅力的に聞こえます。そして、昨年10月の管首相の突然のこのTPP発表に驚きました。なぜならそれまで日本にはTPPなんて言葉を聞いたことがなかったから。

制御装置を取っ払うのが如何様に危険か。
例えば日本は一次産業である米の需要は、お米の国と言われるだけあって非常に充実しています。
しかし、関税ゼロでオーストラリアから輸入すると5Kgで700円程度です。

味もさほど変わらなければ多くの人が700円のオーストラリア産米を買いますね。
すると、日本産のお米が売れなくなり米農業は破綻してしまいます。

それを今までは海外からの輸入関税を高く引き上げることで、このオーストラリアも高い関税払ってまで日本に米を売ろうとはしてきませんでした。

関税はは内需を守る大切な装置なのです。



経産省は「TPPに入ってアジアの成長を取り込む」と言いますが、そこにアジアはほとんどありません。環太平洋というのはただの名前に過ぎません。仮に日本をTPP交渉参加国に入れてGDPのシェアを見てみると、米国が67%、日本が24%、豪州が5%で残りの7カ国が5%です。これは実質、日米の自由貿易協定(FTA)です。アジア全体のことではなく、日本とアメリカの貿易自由化なのです。


<悪の帝国アメリカがふっかけてくるこのTPPの理由>
冷戦崩壊から20年が経ち、世界情勢が変わりました。
中国・ロシアの台頭、アメリカのリーマンショック。
アメリカは阿呆見たくドルを刷ったけれど、EU諸国は勿論世界各国がドルを買おうとはしません。

1929年以降の世界恐慌と同様に危機の時代になるとどの国も利己的になり、とりわけ先進国は世論の支持が必要なので雇用を守るために必死になります。

消費・輸入で世界経済をひっぱることができなくなったアメリカ。次なる手段は輸出拡大戦略なのです。




しかし、自由貿易は常に良いものとは限りません。経済が効率化して安い製品が輸入されて消費者が利益を得ることは、全員が認めます。しかし安い製品が入ってきて物価が下がることは、デフレの状況においては不幸なことなのです。デフレというものは経済政策担当者にとって、経済運営上もっともかかってはいけない病だというのが戦後のコンセンサスです。
物価が下がって困っている現状で、安い製品が輸入されてくるとデフレが加速します。安い製品が増えて物価が下落して影響を受けるのは農業だけではありません。デフレである日本がデフレによってさらに悪化させられるというのがこのTPP、自由貿易の問題です。

デフレの時はデフレの脱却が先なのです。インフレ気味になり、食料の価格が上がるのは嫌なので農業構造改革をするということはアリだと思います。日本は10年以上もデフレです。デフレを脱却することが先に来なければ農業構造改革は手をつけられません。

例えばタクシー業界が競争原理といって規制緩和の構造改革をしました。デフレなのに。その結果、供給過剰でタクシーでは暮らせない人が増えて悲惨なことになりました。今回は同じ事が起ころうとしています。

さらにアメリカとの自由貿易にあって、為替の問題、中国など日本より圧倒的に賃金の安い国に太刀打ちできるわけがなく、日本からの完成品輸出は、極度に低下しています。
日本は既にアメリカに生産拠点を移したり、完成品輸出する中国などに部品を供給する態勢になっており、あらためてTPPといっても輸出が増える可能性などありません。

米国は貿易赤字を減らすことを国家経済目標にしていて、オバマ大統領は5年間で輸出を2倍に増やすと言っています。米国は輸出倍増戦略の一環としてTPPを仕掛けており、輸出をすることはあっても輸入を増やすつもりはありません。

米国の主要品目の関税率はトラックは25%ですが、乗用車は2.5%、ベアリングが9%とトラック以外はそれほど高くありません。ですから日米FTAと言ってもあまり魅力がありません。
現に日本の自動車メーカーは米国での新車販売台数の66%が現地生産で、8割の会社もあります。もはや関税は関係ありません。しかし、財界などは、アメリカと現地生産、日本からの輸出で多くの利害関係を持っており,工業界としては実質的損害がまったくないので賛成しています。


ここまでで、TPPはアジアの開拓ではなく、所詮アメリカ圧倒的的有利の日米自由貿易であり、さらにそのアメリカへの輸出は現状ではかなり困難であることを記してきました。



続いてTPPによる農業の危機について。
1970年代の石油危機がありました。
石油の問題はみなさん心配されますが、石油よりも危険なのは食料です。中東の石油は生産量のほとんどを輸出用に回していて、外国に買ってもらわないと経済が成り立たないため、売る側の立場は意外と弱いものです。ところが穀物の場合は、輸出は国内供給のための調整弁でしかなく、不作になれば売らないと言われかねません。

穀物はまず国内を食わせて余剰分を輸出します。当然不作になれば輸出用を減らして国内へまわすものです。もともと農業は天候に左右されるため量と価格が変動しやすく、特に輸出用は調整弁なので変動が大きいのです。変動リスクが大きいから、穀物の国際先物市場が発達したのです。

日本のトウモロコシはほぼ100%米国に依存しているので、僕らは米国の調整弁になっているということです。不作になったら安く売ってもらえなくなります。

このように、とにかく一次産業は自然環境と結びついていて不安定ですから、そのコントロールは大変難しい。日本で生産し産業として成り立っていたものが成り立たなくなる。すると農業従事者は稼げなくなり、より衰退することでしょう。

農業改革でTPPの危惧を乗り越えられる などと経産省はほざいていますが、税や通貨だけの問題ではないのです。
TPP解禁になれば、地産地省のバランスは崩れ、イカれた農業改革の強要で特産外の産物を作ることにも。例えばキャベツに適した環境の農地で、TPPによってバランスが崩れキャベツの需要が少ないと、そこに人参を栽培する というおかしなことにもなりかねません。
いいものが育つ筈がないということ、そしてキャベツ生産者に突然人参を栽培出来る訳もない。
農業家の誇りを踏みにじる行為だ。

そしてこの農業改革には、無意味で不透明な農地拡大・開拓も含まれている。本当にメリットがあるかも分からない山を川を削り、自然のバランスを壊す。
もう暴走以外の何者でもないと。




経産省はTPPに入らなければ10兆円損をするというデータを発表しました。その計算方法は、日本がTPPに入らず、EU、中国とFTAを締結せず、韓国が米国、韓国、EUとFTAを結び発効した場合は10兆円の差が出るというものです。

グローバル化の世界は関税じゃなく通貨だということがここでも言えます。
何故全部農業にツケをまわすのかと。
いずれにしても世界不況ですから海外で農産物だけでなくモノは売れません。失業率が10%の米国で何を売るというのか。
なぜ中国とEUを入れているのでしょうか。おそらくTPPに加盟しても本当は経済効果がないことがわかったからでしょう。反対派の農水省と賛成派の経産省は数の大きさで争っているので、試算自体に水増しがあります。もっと言えば、なぜTPPとFTAが混ざった試算をするのかが疑問です。日本がTPPで韓国がFTAと試算していることを見れば、韓国がTPPに興味がないことを政府が知っていることがわかります。こんな不自然な試算を見ていると、TPP参加の理屈をつけるのはさぞかし大変だっただろうなと同情したくなります。

農業界だけじゃありません。あるいは日本でデフレが進行すれば日本が輸入しなくなり、世界全体も困ります。

心配なのは食料価格の上昇です。世界各国がお金をジャブジャブに供給していて、お金の使い道がないから金や原油の価格が上がっています。





もうひとつ、TPPに参加すると全ての貿易事務書類が英語での発行となります。
それは日本企業が膨大なコストと時間をかけて無駄な事務作業増やすだけ。その結果上場する企業が減るだけでしょう。






このようにして国は外からでなく内側から滅びるんです。

TPPとはアメリカ本意の日米二カ国間貿易にしかならず、農業だけでなく日本の金融市場をことごとく混乱させる為だけの腐ったものである。