我が家の南の庭は家を建てて以来30年以上芝生になっている。春を迎えて枯芝の間に新芽が伸び始めている。新芽と共にちらほら雑草も顔を出し始めている。外出することも少ない昨今、2,3日に1回天気の良い日に芝生にはいつくばって雑草駆除をしている。

 

芝生の庭を肺とか胃とすれば、雑草は腫瘍とかポリープのようなものだ。良性もあれば悪性もある。雑草(異常細胞)が多くなれば芝(正常細胞)は弱くなる。

 

雑草の中には目立つものと目立たないものがある。広葉の雑草は小さくても見つけて駆除しやすいが、細い葉の雑草は見落としやすい。

比較的目立つけど、根が深く伸びていて根こそぎ抜くのが難しい雑草もある。これは手術を要するポリープのようなものだ。手遅れになると芝生の再生は難しくなる。

転勤で4,5年ほど他人に貸していた時期がある。家は比較的丁寧に扱ってくれたが、芝生は完全に放置された・・・芝刈り機も置いていたのに・・・。帰って再び住むことになった時、芝生は悲惨な状態だった。一番厄介なのはイネ科の多年草(たぶんチガヤ)であろう。小さいときは芝の葉と見分けにくい、芝刈りしても根は健在でまた伸びてくる。そして放置すると1メートル近く伸びて芝を衰弱させてしまう。5年ぶりに帰った時はチガヤがいたるところに生えていて芝生は息絶え絶えだった。芝生を復活させるにはチガヤを掘り起こして、半分以上の面積の芝を補充して植えなければならなかった。チガヤは手や小さなショベルなどでは歯が立たないほどになっていた。

除草剤を使えば解決するかもしれないが、除草剤は「細胞障害性抗がん剤」のようなもので、芝(正常細胞)まで痛めてしまう恐れがある。選択性除草剤(分子標的薬のようなもの)もあるが、芝もチガヤも同じイネ科の植物なので使い方が難しい。

 

とにかく早期発見、早期治療(草取り)が重要だ。

 

さて私の芝生(肺)はどうなっているのだろう。少し元気を取り戻したが、雑草(がん細胞)は完全除去できるものではない。雑草(がん)との共存はどれくらい続くのだろう。