バイオプシー(Biopsy)って何だろうと思っていたら、日本語の「生検」のことだった。

生検とは患者から生体組織を採取して顕微鏡等の装置を使用して分析し病気(遺伝子異常など)を診断することである。リキッドバイオプシーとは生体組織として液体(血液・体液・唾液等)を用いる方法である。がんの遺伝子異常を特定するためには直接がん細胞を採取して分析することが主流だったが、近年は血液を用いる方法の研究が進んでいる。患者への負担が圧倒的に小さいメリットがある。

血液の中にはがん細胞そのものも含まれるが、がん細胞が壊れた(壊死した)残骸(DNA、RNAなど)も含まれており、血液を特殊な装置で分析すると数10種の遺伝子異常を見つけることができる。

主な遺伝子異常については抗がん剤が複数実用化されているが、希少がんの遺伝子異常については治療法が確立していないものが多い。ただし見つかれば治験につながる可能性もある。

 

抗がん剤は効く対象の遺伝子異常が限られていることもあって、薬剤耐性によって使えなくなることがほとんどである。薬剤耐性はその薬では効かない遺伝子異常が支配的になってしまうことだ。だからステージⅣの患者は完治することは珍しく、延命が治療の主目的になる。大多数の患者の治癒(完治)を目指すには大多数の希少がんへの対応(検査・治療法の研究開発)が望まれる。

 

今度3月21日にオンラインで「がんゲノム医療 リキッドバイオプシーの進歩について学ぼう、研究者と意見交換しよう」という勉強会が開催される。昨年8月に第1回があったらしいがその時は気づかなかったので、今回は参加登録しておいた。

希少がん研究の最先端を行く国立がん研究センター東病院の先生の話を聞いたり、患者も含めた意見交換が行われるらしい。主催は運営委託先なのか株式会社ピーク・ワン内の「患者参画勉強会・意見交換会事務局」となっている。