国立がん研究センター中央病院にて行われている治験で興味深いものを見つけた。

主にタグリッソ(オシメルチニブ)と他剤を組み合わせる治療(T4698)で、他剤もすでに承認済みのものだ。

条件は「文書の同意」「20歳以上」「非小細胞肺がん」「オシメルチニブ一次治療歴」「各臓器機能が規定内」

これだけ見ると私は十分に対象になりうると思われる。ただし今も募集しているのかなど不明点はある。いずれにしても主治医からの照会&紹介が必要なはずなので来週の診察で尋ねてみよう。

 

この治験の興味深いところは様々な理由でタグリッソが効かなくなった人に対応することであり、主に特定の遺伝子異常が認められる患者(A群)を対象としており、特定の遺伝子異常を認めない患者(B群)、ここでは内容を省略するその他(C群)まで幅広く治療検討してくれることだ。

 

私はC797Sはぜひ調べてもらいたいと思っているが、A群にあるオシメルチニブ(タグリッソ)+ゲフィチニブ(イレッサ)は明らかにC797Sに対応するものである。イレッサがC797Sに有効だという研究結果は報告されている。私の場合T790Mも活発に活動しているので、それに対応していないイレッサ単剤よりタグリッソとの組み合わせは期待が持てる。そのほかにオシメルチニブ+サボリチニブはMET増幅に対応するものだ。MET増幅も比較的確率の高い遺伝子異常なのでぜひ有無を知りたい。オシメルチニブ+ネツシムマブ(ネシツムマブ?抗EGFR抗体)はどんな遺伝子異常に対応するのかわからない。

 

患者は治療を選択できないと書かれているので、遺伝子パネル検査も治験の中でやってくれそうな気がする。事前にやっても別に構わないけど、あらかじめ遺伝子異常がわかっているのなら、こんな治験デザインにはならないだろう。期待通りいかないことも多いけど楽しみにしよう。