小倉智昭は2年前に膀胱がんが発覚し、内視鏡によるがん摘出手術*を受けていたが、最近再発していることが判明し、膀胱全摘出手術を行うため一時番組を降りることになった。*経尿道的膀胱腫瘍切除術=TURBT
膀胱がんは初期に血尿や排尿時の痛みがあることが多く、早期発見可能ながんである。診断は膀胱鏡検査によって行われる。膀胱鏡検査では尿道から内視鏡を挿入してがん細胞を観察したり、細胞を採取して細胞診を行う。これによってがん細胞が膀胱の筋肉まで浸潤しているかどうかを見極める。筋層非浸潤性であればステージⅠ以下(ステージゼロ)である。筋層浸潤性の場合は転移の恐れがあるのでさらに詳しい検査が行われる。
小倉智昭の場合は最初の手術ががんの摘出のみであったことからステージⅠ以下であったと思われる。そして今回は全摘出するということなので筋層浸潤性での再発(ステージⅠかⅡ)と考えられる。遠隔転移していれば手術は無意味になるので通常は手術せず抗がん剤治療になるから、彼は遠隔転移はしていないということだ。彼が最初に受けたTURBTは再発のリスクが結構あるので、手術後薬剤(抗がん剤もしくはBCG)を膀胱に注入することもあるようだが、実際にどうしたかはわからない。
膀胱全摘は通常開腹手術なので入院期間が長くなる。保険外であれば回復しないでもできる方法があるらしいが、何が選択されるのかは今後になるだろう。
全摘出すると膀胱はなくなるので膀胱に代わるものを設置しなければならない。尿路変更術を行い、体外に尿を溜める袋を付けてそこに尿を導き、いっぱいになってきたら捨てるという排尿方法になる。最近は体内に代用膀胱を取り付ける方法もあるらしい。
因みにステージⅣ(遠隔転移)では最近話題の、肺がんにも使われる免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダが有効らしい。