さて私の次の治療薬候補について(まだ薬剤耐性は出現していないのに気が早い?)
第一候補としてT790M遺伝子変異が陽性ならタグリッソという分子標的薬が使用できることは前に書いた。タグリッソは将来は第一次治療からでも使用される可能性のある薬だ。ただし陰性ならこの薬は使えない。
第二候補としては殺細胞性抗がん剤があるが副作用が強烈なのであまり歓迎しない。
そして最近注目されるのが免疫チェックポイント阻害薬である。市井のクリニックなどで自由診療においてなされる免疫療法とは一線を画して考えるべきである。
 
話を肺がんの「がん細胞と免疫細胞の関係」に焦点を絞ることにしよう。
免疫細胞(T細胞)はがん細胞を攻撃する力があり、誰しも起こりうる悪性腫瘍の芽を摘み取ることができる。
ところががん細胞に発現するPD-L1という物質と免疫細胞に発現するPD-1という物質が結びつくと、免疫細胞ががん細胞を攻撃しなくなってしまうのだ。つまりがん細胞が免疫反応にブレーキをかけるのだ。
免疫チェックポイント阻害薬はこのブレーキを解除して免疫反応を持続させるものである。
 
このPD-1をターゲットとする薬としてはオプジーボ(2014年承認)・キイトルーダ(2016年承認)(いずれも点滴薬)がある。今は二次治療薬として承認されており、その患者に発現するPD-L1が1%以上ならいずれも使用可能(効果的)である。PD-L1が発現しなければオプジーボのみ扁平上皮がんに使える。私の場合は非扁平上皮がんなのでPD-L1発現1%以上が条件になる。オプジーボとキイトルーダは少し特性や使い方が異なるがここでは省略する。いずれも年間薬剤費(保険適用前)が1400万円と高いことで話題になった。
 
一方、PD-L1をターゲットとするテセントリクという点滴薬が2018年1月に承認された。この薬はPD-L1発現率や肺がん種別を条件としない・・つまり広範囲に使用できる。間もなく薬価が決まって4月には発売される見込みだ。
 
以前に主治医に次の治療のことを尋ねたことがあり。答えは「いろいろ考えられるが治験(臨床試験)に参加することも考えられる」ということだった。これはテセントリクのことだったのかもしれない。過去の検査記録を見るとPD-L1検査は済んでいるのだ。この検査結果が1%未満だったのかもしれず、承認済みの薬(オプジーボなど)ではなく未承認のpd-L1発現率を問わないテセントリクが念頭にあったのかもしれない。今度の診察で尋ねてみよう。