昨日国立がんセンターから10年ぶりに?更新されたがん患者の生存率データが公表された。
読売新聞には10年生存率しか出ていないので、5年生存率データもあるプレスリリースを読んでみた。
10年生存率は今の私にはあまり参考にならない。それは2001年から2004年に診断治療を行った人のデータだからである。分子標的薬の適用は2004年ごろからなので・・・
因みに4期肺がん(内訳種別データはない)の10年生存率は2.8%・・・約35人に一人だけ10年生き延びられるという計算だ。
 
さて5年生存率は?というと、2007年から2009年に診断治療した人のデータである。その後も肺がん治療(主に薬)の進歩は著しいのでこれも古いということだが、それは致し方ない。新しいデータ更新には私も参加している。
 
肺がん全体での4期の5年生存率は4.5%・・あれ? 前回とほとんど変化がない。ほんとかなぁ?
私の該当する肺腺がん4期では6.1%・・まぁ似たり寄ったりだが、肺腺がんに効果的な薬が最も進歩しているということかな?
 
2007年から2009年時点での治療薬の実態は?
最初に日本で承認されたイレッサ(分子標的薬)は承認の2002年以降さまざまな経緯を経て、今では多くの患者に適用されているが、EGFR遺伝子変異陽性患者に限定されるなどして国際的な地位を確立したのは2007年のことである。
特に日本では承認後2年半で副作用による死亡が適用42000人中588人で、薬害訴訟の対象にもなった。副作用死亡率としてはさほど高くないものの(マスコミのせいで)センセーショナルに扱われて、適用が慎重になったきらいがある。大規模な追跡調査が行われ、2006年に結果が公表された。そこでイレッサが効きやすい人や副作用が重篤になりやすい人がわかってきた。
次に承認された分子標的薬タルセバが発売されたのは2007年末であり、5年生存率への影響は微妙である。私が服用している分子標的薬ジオトリフは2014年承認なので全く対象外である。
もちろんオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤も対象外である。
 
それでも5年生存率はもっと高くなっていると思っていたが、期待通りではなかった。
 
5年生存率と10年生存率を単純につなげることはできないが、5年生存率が4.5%で10年生存率が2.8%なら「5年生存していた人は半分以上10年生きる」という計算になる。治療薬の進歩を考えれば、「5年生きれば治る」と言えるかもしれない。楽観的OR楽天的?