今日(12月5日)の読売新聞朝刊に特集された「遺伝子・免疫療法」の現状と問題点・・・比較的わかりやすく整理されていると思う。
 
遺伝子治療とか免疫療法はネットにはやたら宣伝があふれているが、承認されているものはほとんどない。ほとんどが自由診療と言う名の未承認治療である。医師がどのような医療行為を行うかは広い裁量権が認められている。「未承認なのにやってもいい」というのは不思議な世界だね。未承認の医薬品を販売したら一発でアウトだけどね・・。
 
免疫療法で承認済みの薬にはあの超高価格で有名なオプジーボがある。皮膚がんや肺がんなどに保険が適用される。これは「がん細胞が免疫細胞にかけたブレーキを解除する」もので「免疫チェックポイント阻害剤」という種類だ。ブレーキではなく免疫のアクセルを強める免疫療法も一部承認されている。免疫細胞を活性化したり、体外で培養した免疫細胞を体内に戻す療法などは未承認である。
 
一方遺伝子療法はまだどれも承認されていない。このような治療を自由診療でやっている多くはクリニックと呼ばれる医院である(一部は大病院でもやっている)。そのような小規模クリニックが遺伝子を扱うような技術があるとは到底思えず、多くはまやかしである。
 
私は元技術者の端くれとして自由診療の未承認治療を受けるつもりは毛頭ない。例外として、臨床研究している(開発された医薬品の効果や副作用等を確かめるため大病院などで行われる)医薬品や治療法の実験台にはなってもいいと思っている。まだその時期ではないけれど・・・。